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2025年9月

2025年9月20日 (土)

午後のおやつ

15時を回って、午後のおやつの時間になりました。西山白玲はフローズンフルーツぱふぇ、大仏サイダー、アップルジュース、アイスコーヒー。福間女流六冠はフルーツ盛り合わせ、アイスティー(ミルク)、ちになるシロップ(大和生当帰×生姜)のソーダ割りです。
202500920img_0948(たくさんの果物で彩られる)
202500920img_0950(午前の注文と同じく、飲料は3種類)
202500920img_0946(福間女流六冠も果物から糖分を補給する)

スローペースの中盤戦

2025092042_2上図は14時30分頃の局面です。対局再開からわずか2手しか進んでいません。銀取りに角を打ち、▲3七銀なら△3五歩が指しやすくなります。斎藤慎八段は一直線に激しく進める順として、▲5五歩△4五歩▲5四歩△同銀▲5五歩△4六歩▲5四歩△4七銀(変化図)を挙げ、この攻め合いは後手持ちの見解を示しました。2025092050
次に△3八銀不成から△2七飛成の攻めが速そうです。よって、△6四角には▲5七銀上や▲4七金左、▲5七角の受けが有力視されています。しかし、いずれも一長一短あり、比較に悩む局面といえそうです。
検討中、控室に藤井奈々女流初段が来訪しました。西山白玲と同じ伊藤博文七段門下で、西山白玲は姉弟子にあたります。
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瑜伽山園地

瑜伽山(ゆうがやま)園地は奈良公園の南端、浮見堂や鷺池の南側に位置する約1.3ヘクタールの庭園で、明治から大正期に山口財閥四代目・山口吉郎兵衛が築いた別荘跡地として知られます。昭和2年(1927年)には国指定文化財「名勝 奈良公園」に追加指定された歴史を持ち、主に文化人が集って交流を深めた場所でもあります。茶室は園地西側に復元されており、「たく庵(※たくの字は草かんむりに澤)」と呼ばれます。この茶室は、山口吉郎兵衛が師事した藪内流の茶の湯精神や数寄屋造りの伝統を受け継いで設計されました。
明治・大正期の趣を伝える手水鉢や灯籠、池、竹林など日本庭園らしさが随所に見られ、訪れる人々は静寂に包まれた伝統の美を味わうことができます。園路の高低差を活かした回遊式庭園となっており、若草山や浮見堂、鷺池の絶景も楽しめます。
Img_0794(本局の対局場となった茶室)
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Img_0887(古くから伝わる石灯籠)

Img_0886_2(中台には十二支が並ぶ)

Img_0883(1本の大きな木。中は空洞になっているという)

Img_0881(木の内部から竹が覗く)

対局再開

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13時に対局が始まると、手番の西山白玲はすぐに▲4六銀と指しました。斎藤慎八段は「現局面の形勢自体はいい勝負でしょう。しかし、後手は4四の歩が残った状態で戦いになるのは避けたい面があります」との見解を示し、熟考合戦を予想しました。その見立てどおり、上図で福間女流六冠は30分を超える考慮に沈んでいます。

Img_0914(外はどんよりとした雲)
Img_0923_2(西山白玲は瞬間冷却剤を使って体を冷ます)
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Img_0938(午後からの戦いが始まった)
09200001(やがて、強い雨が降り始める)

昼食休憩中の対局室

Img_0909_2(昼食休憩時の盤面、△3三桂まで)
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Img_0913(下座側からは庭園が見られる)

Img_0911(どちらも同じペースで時間を消費する)

昼食休憩

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図の局面で12時となり、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲西山1時間34分、△福間1時間24分。昼食の注文は、西山白玲が自家製煮込みハンバーグ(ご飯、サラダ、みそ汁、漬物、飛鳥プリン)、アイスティー。福間女流六冠は、煮麺(大和地鶏)と豆稲荷、黒ウーロン茶です。対局再開は13時です。

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ふふ奈良

「ふふ奈良」は、奈良公園内に2020年6月に開業したスモールラグジュアリーホテルです。中世には寺院遺構があり、大正期には志賀直哉をはじめとする文化人の交流の場として使われました。「庭屋一如」の精神を継承し、庭と建築が一体となった空間づくりを重視している点が特徴でもあります。
奈良の伝統建築を取り入れつつ、吉野杉や古代墨、古木を用いた温かみあるインテリア、格子や大和張りなど奈良独自の景観を現代風に昇華しています。
施設は敷地約4000坪に客室30室(全室温泉露天風呂付き)が設けられ、庭園や竹林を生かして自然との一体感を演出します。
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Img_0745(宿泊者の食事どころ、滴翠)

【ふふ奈良】
https://www.fufunara.jp/

午前の控室

2025092027_2上図から後手は△2六歩と飛車先交換を仕掛けました。代えて△3五歩には▲4五歩を斎藤慎八段は示します。ならいある反撃筋で△同銀▲3五歩となると、次に▲3七桂や▲4六歩で銀が捕まります。以下△5五歩と逃げ道を作っても▲3七桂△5四銀▲8四歩△同歩に▲同飛(変化図)が銀に当たるのが気になる筋です。2025092037
よって△3五歩を突く前に飛車先交換を仕掛け、1歩を手持ちにして浮き飛車に構えました。

2025092032四段目に利かしておけば、次に△3五歩▲4五歩以下の順に進んだとき、△5四銀が浮き駒になりません。斎藤慎八段は「次に△3五歩は考えられ、そうなると戦いが起こります」と開戦の可能性に言及しました。
Img_0873_2(斎藤慎八段は、第1期以来の立会人を務める)
Img_0872(後手側に座るのは清水女流七段)

戦型は相振り飛車

2025092011初手▲7八飛、2手目△5四歩は両者の将棋でよく見られる出だしでした。上図は先手が手損を受け入れて角交換をし、後手の作戦を振り飛車に限定させました。
10時、おやつの時間を過ぎて、下図まで進んでいます。2025092027△4四銀から△3五銀で棒銀を見せた後手の動きに対して、先手は▲3六歩と突いて銀の進軍を阻みました。先手はじっくりとした流れで駒組みを進められると、玉の堅さや広さが主張になりそうです。
Img_0837(朝、駒を並べ終えた両者)

午前のおやつ

10時を回って、午前のおやつが運ばれました。西山白玲はマカロン(ラズベリー、抹茶)と、ピーチジュース、黒ウーロン茶、アイスコーヒー。 福間女流六冠はホットティー(ミルク)と「ちになるシロップ」(大和生当帰×生姜)のソーダ割りです。「ちになるシロップ」は、奈良県を代表する薬用植物である「大和当帰葉」と和漢食材の代表格の「生姜」を使ったシロップです。
202500920img_0866(西山白玲の注文。3種の飲料が並ぶ)
202500920img_0869(福間女流六冠は飲料のみの注文)