【勝った里見白玲】
――西山女流三冠から変化した序盤戦だったと思いますが、一局を振り返っていかがでしたか。
「居玉での戦いになったので、強気にいきすぎていたかなと。中央が手厚くなってから少し指しやすいのかなと思っていました」
――具体的にはどのあたりでしょうか。
「△5二金(56手目)と上がって相手からの攻めがなければと思っていました」
――七番勝負は先勝で幕を開けました。次局に向けての抱負をお願いします。
「次は先後が決まっているので、しっかり準備して臨めたらと思います」
【敗れた西山女流三冠】
――西山女流三冠のほうから変化した序盤でしたが、振り返っていかがでしたか。
「▲7七桂(51手目)と跳ねていく構想があまりよくなかったのかなと思っていて。もう少し直接的にいってどうかといった感じだったのかなと思います」
――具体的に苦しくなったのはどのあたりでしたか。
「△5二金(56手目)の受けを見て、攻めが止まってしまったかなと思いました」
――黒星スタートになりましたが、次局に向けての抱負をお願いします。
「すぐに第2局があるので調子を整えて臨めたらと思います」
この局面で西山女流三冠が投了しました。終局時刻は18時4分。消費時間は▲西山4時間0分、△里見3時間50分。第2局は9月9日に鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われます。
1図から▲3五歩△3六歩▲同銀△5七歩成▲同金右△5六歩▲6七金寄△9五馬▲9六歩△5一馬(2図)と進みました。「馬は自陣に」という格言はありますが、控室では「里見さんが決め損なっているのでは」といった声も聞かれます。とはいえ後手勝勢に変わりはないようです。
勝勢を築いた里見白玲は慌てず騒がずといった落ち着いた指し回しを見せています。1図から△7二玉▲7五歩△3五歩(2図)と進めました。不安定な玉形を立て直すと3筋に拠点を築いたのです。受けに回る方針が徹底しています。
辛抱の▲4七銀に里見白玲は△7七角(1図)と打ち込みました。以下▲1六歩△2四角▲2三金△3五歩▲6六歩△6一玉▲3五歩△9九角成(2図)と進んでいます。
里見白玲は△7七角~△9九角成と香を取りにいきました。△2一香と打って先手の攻めを切らす方針のようです。▲金△角香の交換で、形勢は後手がかなりいいと見られています。