2021年7月24日 (土)

検分後は記者会見の場が設けられ、両対局者にインタビューが行われました。

A7305513 【豊島叡王】

――先日は兵庫県神戸市で王位戦第3局が行われ、対局が続いています。コンディションはいかがでしょう。
豊島 対局が続いていますけど、それほど疲れもなく、よい状態だと思います。

――藤井聡太王位・棋聖とはダブルタイトル戦です。
豊島 王位戦では負けが先行していますが、叡王戦は持ち時間も違いますし新たな気持ちで第1局に臨めればと思っています。

――同じ相手と連戦が続くことについてはどう考えていますか。
豊島 過去に藤井さん以外にも連戦する機会はあったので、そういう経験も生かしながら、非常に強敵なので、対戦することで自分も実力をつけていけると思いますし、一生懸命やっていきたいと思っています。

――今期からスポンサーが変更し、主催が株式会社不二家になりました。
豊島 第5期が終わって棋戦が存続するかの危機だったわけですが、主催として不二家様に助けていただいて感謝しています。対局のおやつも楽しみです。第5期は七番勝負でしたけど9局(千日手を1局と数えれば、10局)指して、棋戦がなくなってしまうと悲しいことなので、それを助けていただいたので、いい将棋を指して恩を返していければと思っています。

――藤井二冠と実際に王位戦で3局戦って、戦前と戦っての印象は変わりましたか。また叡王戦の意気込みを聞かせてください。
豊島 戦う前から大変な相手と思っていて、戦ってみて大きくイメージが変わったことはないです。第2、3局は有利な局面を作れながらもチャンスを生かせなかったので、自分がうまく指せていないのかなと。明日からの対局は王位戦に比べると非常に短いので、より決断よく指していけたらと思います。

――藤井二冠とたくさん指すことになります。同じ相手との連戦、また過密スケジュールのなかで、作戦面で息詰まりを感じることはありますか。
豊島 王位戦が始まる前に結構、準備しましたけど、それで完璧というわけではありません。戦いながら修正していく必要もあると思います。時間は対局で忙しくてあまりないんですけど、その限られた時間のなかで最善を尽くしていけたらと思います。

――王位戦は挑戦、叡王戦は防衛の立場です。盤に向かうなかで、意識の違いはあるのでしょうか。

豊島 そんなに気にせず指しています。

――王位戦は第3局と第4局に間が空き、叡王戦が第3局まで指されます。このシリーズは、どちらにも影響を与えるものでしょうか。

豊島 王位戦は1か月ぐらい休みで、その間に叡王戦が3局行われます。そこでの結果や内容で王位戦も変わってきますし、十二番勝負を左右する対局になると思います。

A7305569_2 【藤井王位・棋聖】

――豊島叡王と同じく、王位戦第3局からの連戦です。コンディションはどうですか。
藤井 自分としてはよい状態で叡王戦を迎えられたと思います。

――豊島叡王とのダブルタイトル戦についてはどう考えていますか。

藤井 王位戦は2日制、叡王戦はチェスクロック4時間と異なるので、それぞれ違う気持ちで臨めればと思っています。

――今期から主催が株式会社不二家に変わりました。
藤井 チョコレートのCMに出演させていただいたので、叡王戦は思い入れがある棋戦です。いままで将棋の棋戦は新聞社の主催が多かったですが、新しい形で支えていただけるのはありがたいことだと思っています。

――豊島叡王とは王位戦で3局戦いました。改めて印象が変わりましたか。また叡王戦の決意表明をお願いします。
藤井 豊島叡王とは王位戦で3局対戦していますけど、ここまで序中盤の精度で差をつけられてしまっているので、こちらが改善していければと思っています。叡王戦は王位戦と持ち時間が異なりますし、挑戦者という立場ですので、思い切りよく指していきたいですね。

――豊島叡王との連戦が続きます。どういうスタイルで臨みますか。
藤井 豊島叡王との対戦は貴重な機会ですし、戦型としても色々な形を試せると思っています。

――王位戦は防衛、叡王戦は挑戦する立場です。指し口に気持ちの変化は現れますか。
藤井 自分自身としてはどちらも挑戦者の気持ちで戦うのがいちばんいいのかなと思います。

――王位戦とは持ち時間が変わります。戦い方は変えますか。
藤井 作戦に関しては叡王と王位で分けることはないが、時間配分のペースは違ってくるでしょうか。中盤以降は叡王戦のほうがより決断力が求められてくるかなと思います。

――同じ瀬戸市出身で、テコンドーの山田美諭選手がオリンピックで3位決定戦に進出しています。
藤井 いま初めて知りました。同じ瀬戸市出身という事で、自分としては励みになることです。機会があれば見てみたいと思います。

――将棋は盤上の格闘技です。アスリートから刺激になるものはありますか。
藤井 将棋は比較的持ち時間が長いですが、スポーツは一瞬の集中力が問われるものだと思います。そういうところを見習って、緩まずに一瞬一瞬を大事にして集中力を持って指したいです。

――王位戦の第4局までに、叡王戦は第3局まで行われます。
藤井 しばらく叡王戦のほうに意識を向けていくことになるでしょう。王位戦はここまで3局戦って自分の課題が見えてきた部分も非常に多いので、それを叡王戦に生かせるように戦っていければと思っています。

――叡王戦には自身初の三冠が懸かっています。
藤井 番勝負の結果については気にせずに、自分の力をしっかり出せるようにと思います。豊島叡王との対戦は貴重な機会なので、それを自分の成長につなげられるようにしたいです。

(書き起こし=紋蛇)

16時30分頃、対局室の検分が行われました。
本局で使用される盤・駒は日本将棋連盟所蔵のもので、駒は大竹竹風作の錦旗書と菱湖書の2種類が用意されました。最終的に選ばれたのは錦旗書です。

A7305421

A7305425(豊島将之叡王)A7305434(藤井聡太王位・棋聖)

A7305431

A7305445(検分は5分ほどで終了した)

豊島将之叡王に藤井聡太王位・棋聖が挑戦する第6期叡王戦五番勝負がいよいよ開幕します。
第1局は7月25日(日)に東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」で行われます。

対局開始は9時、持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒未満の着手となります。昼食休憩は12時~13時。先後は振り駒で決定されます。
立会人は島朗九段、記録係は田中大貴三段(北島忠雄七段門下)がそれぞれ務めます。
なお、第1局の大盤解説会は開催されません。

【主催:株式会社不二家】
https://www.fujiya-peko.co.jp/eiou/

【特別協賛:ひふみ】
https://hifumi.rheos.jp/

【特別協賛:株式会社SBI証券】
https://www.sbisec.co.jp/

【第1局協賛:江戸総鎮守 神田明神】
https://www.kandamyoujin.or.jp/

本局の中継は棋譜コメントを紋蛇、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。

2021年6月26日 (土)

第1局 7月25日(日)
東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」

第2局 8月3日(火)
山梨県甲府市「常磐ホテル」

第3局 8月9日(月・祝)
愛知県名古屋市「か茂免」

第4局 8月22日(日)
愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」

第5局 9月13日(月)
東京都渋谷区「将棋会館」

感想戦終了後、別室で記者会見が行われました。

Img_2122

――角換わり腰掛け銀の大熱戦となりましたが、改めて一局を振り返って。
藤井 序盤から斎藤八段に細かく工夫をされて、こちらが隙を見せたところがあって、タイミングよく動かれてしまった、苦しい時間の長い将棋だったかなと思っています。そのあとこちらが勝負していって戦機をつかむことができた気がします。
――苦しい状況の中、逆転できた要因は。
藤井 仕掛けのあともうまく自玉との距離感を測りながら指されて、苦しいのかなと常に思っていたんですが、相手玉に少しでもプレッシャーをかけてという姿勢で指せたのが結果的にはよかったのかなと。
――終盤、形勢が苦しい状況で時間をリードするのは珍しい展開かなと思ったのですが。
藤井 叡王戦はチェスクロックなので、形勢が苦しいまま一分将棋に入ってしまうとかなり厳しくなると思っていた。少しでも勝負できるところを残しておいたほうがいいのかなという気持ちはありました。
――叡王戦ではここまで好結果を出せていませんが、今回、挑戦権を獲得されました。
藤井 叡王戦は上位に進めたのは今回が初めてだったので、その中で初挑戦という結果が出せたのはとてもうれしく思っています。
――夏は王位戦、叡王戦のダブルタイトル戦になります。豊島さんとの2連戦について。
藤井 並行して戦うことになると思うんですけど、持ち時間はかなり異なるので、うまくそれに合わせて戦っていきたいと思います。
――棋聖戦は2連勝ですが、第3局について。
藤井 防衛が懸かる一局になりますが、なんとか気負わずにいままで通りの気持ちで臨めればと思います。
――今期から叡王戦は不二家が主催になりましたが、お菓子メーカーが主催ということについて。
藤井 将棋界はこれまで新聞社に棋戦を主催していただく形が多かった。不二家さんに主催していただいて、自分自身、CMに出たことがありますし、いままでと違う形で将棋に興味を持っていただくきっかけになるかなと思います。
――いろいろなお菓子がありましたが、対局中に食べることはありましたか。
藤井 対局中にいただく機会はなかっかもしれないですが、家で「カントリーマアム」のチョコまみれをいただいてとてもおいしかったので、また機会があれば食べてみたいと思います。
――タイトル戦の進行度合いによってはトリプルタイトル戦になる可能性もある。
藤井 今月から来月にかけてスケジュール的には詰まってくる。狭い間隔で対局が続く。ここまではいいペースでこれているので、7月もこの状態で臨めればと思います。

Img_2180

――今年4月から高校に行くことがなくなって、生活はどのように変わったか。
藤井 対局以外のときは家で将棋に取り組む時間が多くなったので、大きな変化かなと思う。いまのところはいいペースで取り組めているという感触はある。
――学校に行っているときは早起きをしていたと思うが、いまはどうか。
藤井 対局がない日は何時に起きてもいいのはありがたいと思うんですが、一日の時間は限られているので、朝の8時くらいには起きられればと思っています。
――以前は学校への通学が唯一の運動だとおっしゃっていた。いまは運動などはどのようにされているか。
藤井 家にいる時間が多くなったので、意識して運動の機会を作らなければと思っている。最近は対局が多いので、対局が一番の運動になっている感じがします。
――食事に関してはどうでしょうか。
藤井 あまり自分では意識しないですけど、少し減った気がします。タイトル戦だと地元のおいしいものをたくさんいただけるので楽しみではありますが、タイトル戦の対局が多くなると体重管理に気をつけなければいけないと思います。
――コロナ禍で日本人の希望として、メジャーリーグベースボールで活躍している大谷翔平や藤井二冠の名前が挙がることがある。藤井二冠は大谷選手の活躍をニュースで見ているか。
藤井 活躍されているのはニュースで見ていますが、野球にあまり詳しくないので……。野球はまったく経験がないですが、刺激にはなっています。
――棋戦が重なって体力やコンディションの調整が大変だと思うが、それを保つために普段やっていることはあるか。
藤井 忙しいときでも睡眠時間を一定に保つ、同じ時間に寝て同じ時間に起きるほうがいいということは意識しています。
――このあと対局場も発表されますが、全国の皆さまも楽しみにしていると思います。
藤井 実は自分もまだ対局場を知らないので、皆さんと一緒に発表を楽しみにしたいと思います。豊島竜王との番勝負をなんとか盛り上げられるように精いっぱい頑張りたいと思いますので、ご観戦よろしくお願いいたします。

Img_2200

終局後は代表記者によるインタビューが行われ、感想戦が始まりました。斎藤八段は▲6八銀(77手目)と引いた手を「安全にいこうと思ったらダメにしてしまった」と悔やんでいました。

Img_1861001

Img_1885001

Img_1992001

Img_1902

Img_1971

Img_2072

Img_2063

叡王戦では両対局者の手元に不二家のお菓子を入れた箱が置かれています。「叡王戦」のロゴが入った専用のもの。本局では「カントリーマアム」と「ルック」がそれぞれ2種類ずつ用意されました。不二家ウェブサイトではお菓子を使ったアレンジレシピも紹介しています。

【不二家チョコチップクッキー カントリーマアム】
https://www.fujiya-peko.co.jp/countrymaam/

【LOOK(ルック)チョコレート|不二家】
https://www.fujiya-peko.co.jp/look/

Img_1554001

20210626d

斎藤八段が桂で守りの銀をはがすことに成功しました。図では▲4五歩△2六角▲3七銀と角を捕まえる順もあり、銀桂交換から角桂交換へと駒得が広がります。先手が順調に攻めているといえそうです。