図は50手目△6四角の局面。実戦はここから▲3三桂成△同桂▲3七銀上と進んでいます。大盤解説会で伊藤真六段は「控室では▲3七銀上とするなら、▲3三桂成としないで指すと予想していました。ただ、その場合は△4四金とかわされて▲5三桂成と成れないのが気になったのだと思います。本局は1手の比重が大きい将棋です」と話していました。
▲3三桂成は王手をかけつつ駒得する自然な手ですが、損得は微妙なようです。伊藤七段は▲3三桂成に26分考えて、残り50分を切りました。藤井叡王は残り1時間9分です。
(藤井叡王の後ろ側に飾られているのは、陶芸家の北村隆氏による北前船を描いた九谷焼の作品)