山崎八段は▲3五歩△同歩と突き捨てを入れてから、一転して▲8八角と引きました。この手の直接の意味は、次に▲6六歩から桂を取りにいく狙いです。では、▲3五歩△同歩を入れたのはどういう意味でしょうか。
「単に▲8八角には△9五歩の端攻めが気になるのでしょうね。以下▲6六歩と桂を取りにいったときに猛攻を受けそうです。このとき▲3五歩△同歩の突き捨てが入っていれば、▲6六歩から桂を取って▲3四桂の狙いがあるので、先手も戦えそうです」(西尾六段)
「ただ、相手に1歩渡したデメリットがあるので、▲3五歩△同歩▲8八角が、うまい組み立てなのかといえば難しいところです。▲3五歩△同歩に▲2四飛以下の攻めがうまくいかないと見て、予定変更で▲8八角と引いたのかもしれません」(阿久津八段)
控室では、▲8八角に△2三銀と飛車の走りを押さえて、以下▲6六歩には△5七桂成と成り捨てて先手の玉形を乱してから、△9五歩と端攻めに出て後手好調と見られています。
2015年12月 6日 (日)