2023年11月 5日 (日)

第13期加古川青流戦決勝三番勝負 第2局

おはようございます。本日は藤本渚四段と吉池隆真三段が対局する第13期加古川青流戦決勝三番勝負第2局が行われます。第1局を制した藤本四段が第2局も勝てば、棋戦初優勝を果たします。吉池三段が第2局で勝った場合は、午後に第3局が行われます。

決勝三番勝負の対局場は兵庫県加古川市「刀田山 鶴林寺」。持ち時間は各1時間(チェスクロック使用、使いきると1手60秒未満の秒読み)。立会人は長岡裕也六段、記録係は木村朱里女流1級が務めます。

対局スケジュール
第1局 2023年11月4日(土) 14時開始 棋譜ページ △藤本○-×▲吉池
第2局 2023年11月5日(日) 10時開始 棋譜ページ ▲藤本-△吉池
第3局 2023年11月5日(日) 14時開始 棋譜ページ (先後は振り駒で決定)※どちらかが2連勝した場合は第3局は行われない

【決着局の終局後のブログ更新について、おことわり】
決着局が終局すると、両対局者は表彰式出席のため大盤解説会場の「ウェルネージかこがわ」に速やかに移動いたします。中継班も同行しますので、終局直後の対局室の写真や終局後インタビューの更新は表彰式終了後に行います。

【主催:兵庫県加古川市】https://www.city.kakogawa.lg.jp/

【主催:加古川市ウェルネス協会】http://kakowell.jp/

【共催:神戸新聞社】https://www.kobe-np.co.jp/

【共催:BAN-BANネットワークス】https://www.banban.jp/

昨晩、加古川市内で開催された関係者夕食会の席上で、対局者の藤本四段と吉池三段に、主催者から加古川和牛の目録が贈られました。その模様を紹介します。

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(翔)

2023年11月 4日 (土)

感想戦

インタビューのあと、感想戦が行われました。

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(藤本渚四段)

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(吉池隆真三段)

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(初手から感想戦が行われている)

第1局のブログ更新はこれで終了します。第2局は明日10時から行われます。お楽しみに。

(翔)

終局直後

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(終局直後)

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(優勝まであと1勝とした藤本渚四段)

【藤本渚四段インタビュー】
--本局の序盤についておうかがいします。
「自分が後手のときはよく指している形で、慣れた形に誘導しようと思いました。序盤から▲4六歩(5手目)はあまり指されたことがない手で、いきなり手さぐりになってしまいました。序盤は失敗したと思っていました」

--中盤は激しい攻め合いになりました。
「自信があるような、ないようなという展開で、時間がなくてよくわからなかったです。負けにした局面もあったと思うので運がよかったです」

--終盤、勝ちを意識したのはどのあたりですか。
「角を取り合ったあたり(97手目▲4四飛成・98手目△8四銀)はこちらが簡単に詰む形ではなくなったので、ちゃんとやればなんとかなる気がしました」

--一局を振り返ってください。
「すごく難しい局面で一分将棋に入ってしまって、もう少し時間をやりくりして残しておきたかったのがうまくいかなかったので、修正できればと思います」

--明日に向けてひとことお願いします。
「第2局は先手なので、そこで決められたらいいと思っています」

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(伏し目がちにインタビューに答える吉池隆真三段)

【吉池隆真三段インタビュー】

--序盤はいかがでしたか。
「▲4六歩(5手目)だと△3三角が上がりづらいという変化があって採用したのですが、自分も2筋の歩を交換する形はあまり研究していなくて、時間を使う展開になりました」

--中盤の攻め合いはいかがでしたか。
「途中はそんなに自信が持てない展開でしたが、▲6五銀(59手目)とぶつけた辺りは駒の調子が出てきたかなと思っていて、よくなったんじゃないかと思いました」

--終盤は何かあったでしょうか。
「終盤は何度か間違えているとは思いました。時間が少ない中で正解を見つけることができませんでした」

--明日の対局へ向けて、意気込みをお聞かせください。
「第1局は先手番で勝ちたかったですが、まだ明日もあるので修正していきたいです。手ごたえはありましたので、この調子でなんとか第3局までがんばりたいと思います」

(翔)

藤本四段が先勝

投了図


第13期加古川青流戦決勝三番勝負第1局は、128手で藤本四段が勝ちました。終局時刻は16時55分。消費時間は▲吉池三段1時間0分、△藤本四段1時間0分(チェスクロック使用)。

三番勝負は藤本四段が先勝。第2局は明日5日(日)の10時に開始します。

(夏芽)

後手勝勢

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図は▲4三飛に△3七銀と打った局面。後手玉は詰まず、この△3七銀が詰めろになっていて後手の勝勢と見られています。立会人の長岡六段は、報道陣に終局後の準備をうながしました。

(翔)

攻防の底香

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図の△5一香は、自陣を補強して詰めろを消しながら△5七香成の詰めろを掛けた攻防手。この香打ちで後手玉がかなり安全になり、藤本四段が勝ちに近づいていると見られています。

(翔)

後手が危機を脱する

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後手玉は危ない局面が続いていましたが、92手目の△4四角が粘り強い受けで、最大の危機を脱したと言えそうです。現局面は後手が勝ちになっているのではないかと言われています。

ふたりとも駒台の駒を落としたり、手を震わせながら指したりと、極限状態での終盤が続いています。

(翔)

攻防手はあるのか

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図は7七に玉がつり出された場面。後手玉は詰めろだと見られています。

後手は王手をかけながら詰めろを外す順があるのかと検討が続いています。△8五桂と王手しただけでも逃げ場に迷います。

長岡六段は「若い人同士らしい、最終盤に技をかけあつ、難解な将棋になっています。ここからは最善手を逃すこともあると思いますが、勢いがぶつけあう将棋になりました」と話しています。

(翔)

6二をどうやって防ぐか

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後手は△6二玉と逃げる形になれば粘り強く戦える展開です。先手はどう6二を防ぐか。わかりやすいのは▲2一馬~▲7四桂ですが、馬は7七を受けている駒でもあります。長岡六段は「あとは▲4四馬と引くか、どうにかして6三に成駒を作るかですね。▲6五香は考えられます」と話しています。

吉池三段がペースを握っているようですが、まだまだ大変です。

(翔)

吉池三段が少しずつリードを奪う

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上図の▲3四飛を見て、長岡六段は「吉池三段は▲1一角成とする順は全然考えていないのですね」と感心。ここで△3三香と打つと飛車が取られるようですが、▲4三歩成△同銀▲同銀成△同金▲8四飛と進めば飛車が生還します。

長岡六段は「吉池三段が、少しずつリードを奪っているように思います」と話しています。

(翔)