決着直後
――地元の棋戦で優勝した感想、喜びの声を
上野 私は加古川市出身で、やはりこの加古川青流戦には特別な思いがあったので、優勝という結果はうれしく思います。
――地元で注目され、プレッシャーは
上野 いや、そこまではなくて。岡部先生は強敵なので、精一杯指そうという思いで臨みました。
――第2局を振り返って
上野 序盤の構想でうまくいかず、秒読みに入ったあたりは苦しいと思って、そこからずっと自信のない展開が続きました。最後はどうなっているか、よく分からなかったです。
――第1局(千日手指し直し局)も含めて優勝できた要因は
上野 第1局、第2局と途中は苦しい場面はあったと思うので、粘り強く指せたことがよかったと思いますが、課題も多く見つかったと思います。
――今後の抱負は
上野 改善点はたくさんあると思いますので、より努力を続けて活躍できるように頑張りたいと思います。
――棋戦優勝2回目。その点について
上野 結果を残せたことはすごくうれしいのですが、活躍できている棋戦とあまり勝っていない棋戦の差が結構あると思っているので、これからはほかの棋戦でも活躍できるように頑張りたいなぁという思いです。
――三番勝負開幕まで公式戦の対戦成績2勝0敗が有利に働いたか(※注 奨励会三段リーグ戦では4度の対戦があり、4勝0敗でもあった)
上野 そんなことはなく岡部先生は今年度、すごく好調だったので、本当に強敵だと思って臨みました。
――第2局を中心に振り返って
岡部 序盤はそんなに経験のある形ではなかったのですが、角を切り飛ばしていったところ(90手目△6七同角成)は自信を持って踏み込みました。最後、着地の部分でうまくいかず、そこは課題かなと思います。
――作戦面を含めてシリーズを振り返って
岡部 準備して想定していた局面から早めに外れる展開が多かったのですが、その中でもハッキリよい局面を作ることもできました。中盤、上野さんの粘り強い指し回しに決めきれず、勝ちきることがいまの自分の課題かと思いました。
――シリーズを終えて
岡部 皆さんに見ていただける舞台で将棋を指すのは自分にとって大きいことだったので、この先も活躍してそういう機会を増やせるようにしたいと思います。大盤解説会に応援しにきてくださっている方もいらっしゃるのですが、0-2というスコアはちょっと、1回は勝ちたかったというのが正直なところでした。また力をつけて、チャンスがあれば今度はつかみたいと思います。
(飛龍)