2026年3月12日 (木)

感想戦終了後、挑戦に決まった斎藤慎八段の囲み取材が行われました。

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―― あらためまして、2期連続の挑戦となって意気込みをお願いします。
「前期の叡王戦を終わってからは、一応フルセットまで行ったシリーズではあったので。やっぱり足りなかったかという感じで。そこからは成績もだいぶ落としたんですけれども。この叡王戦の本戦が始まるまでに、ちょっと気持ちを切り替えてというか。年が明けてからは、結構、各棋戦でまずまず指せているのかなとは思っていたので。なにか勢いに乗れたのかなと思います」

―― 今日の永瀬九段を相手にした挑戦者決定戦はどのような気持ちで迎えましたか。
「永瀬九段は元々ずっと高勝率ですけど、特にこの1年、ずっと勝たれていて。タイトル戦でも白星を先行されていますので。挑戦者決定戦まで来たけど、やっぱり大変だなと思わされる棋士です。スケジュール的には、1局前の対局から1週間あったので。すべての予定を研究することだけにして、それでも、作戦的なうまくいかないぐらいの相手だと思っていました。でも、スケジュールを挑戦者決定戦に全部注ぎ込んだつもりではあります」

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―― 伊藤匠叡王の最近の印象はいかがですか。
「前期の叡王戦を防衛されてから、ずっと勝たれているようなイメージがあるので(笑)。私とのタイトル戦で防衛されて、充実度が増されたのではないかなというか。いい切られ役だったなというふうに思っていたんですけれども。もう一度挑戦するのは、本戦トーナメントを見ると厳しいので。すぐにこのチャンスが回って来るとは、あまり思っていなかったんですけれども。でもまあ、チャンスが来たからには、なにか変えていこうというか。前期の反省を生かせる部分があればなと思っています」

―― 第1局は海外対局です。どんな気持ちで迎えますか。
「こどもの頃から、タイトル戦をたまに海外でされるというケースを見るだけでずっと来て。まさか自分が対局者でそのようなケースになるとは、あまり思っていなかったので。いま本当にタイトル戦に出るだけでも大変というか、そういうところもあるので、本当に巡り合わせというか。対局者になれることは凄く嬉しいですし。ただ、いままでにない経験なので。普段通りの対局ができるか――自分の問題になりますけど、海外で自然にできるのかな、という不安と、挑戦できる楽しみと、どちらもあります」

【五番勝負日程】
第1局 4月3日(金)「シンガポール日本人会」(シンガポール)
第2局 4月18日(土)「アパリゾート佳水郷」(石川県加賀市)
第3局 5月3日(日)「か茂免」(愛知県名古屋市)
第4局 5月23日(土)「犬鳴山温泉 み奈美亭」(大阪府泉佐野市)
第5局 5月31日(日)「柏の葉カンファレンスセンター」(千葉県柏市)

以上で挑戦者決定戦の更新を終わります。
ご観戦誠にありがとうございました。

Dsc05524 終局直後の様子。

Dsc05529 2連続の挑戦を決めた斎藤慎八段。

【斎藤慎八段の談話】
―― 今日の作戦は準備されていたのでしょうか。
「そうですね。△6一飛(34手目)と回る感じに、もしなればどうかなと思っていたところでした」

―― 難解な中盤戦が続いて、先に一分将棋に入られました。その辺りの手応えはいかがでしたか。
「角を取られてしまったような変化になったので。その前後に見落としがあって。かなり勝ちにくい将棋なのかなと思っていましたが。なんとか攻め合いになるような感じで頑張ろうと思っていました」

―― 終盤、形勢が好転したと思ったのはどの辺りでしたか。
「△7二香(112手目)を打って、結構守備力があるんじゃないかと思って。もしかしたら際どい勝負になったのかなと思っていました」

―― 一局を振り返っての感想をお願いします。
「わりと難しい中盤だったのかなと思うんですけど、徐々に自信がなくなって来たので。全体的には自信のない局面が多かったんですけれども。終盤、攻め合いの勝負に出来たので、粘れていたのかなと思います」

―― これで2期連続、伊藤匠叡王とのタイトル戦となりました。意気込みをお願いします。
「前期より、よりよい五番勝負に出来るように頑張りたいと思います」

Dsc05540 敗れた永瀬九段。

【永瀬九段の談話】
―― 一局を振り返っての感想をお願いいたします。
「ちょっと指せているかなと思ったのですが、具体的にわからなかったです」

―― 今期の叡王戦は藤井聡太六冠に勝利して決勝となりました。今期の叡王戦を振り返っていかがでしたか。
「なかなか挑戦につながっていないので、来期頑張りたいと思います」

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時刻は16時半を回りました。永瀬九段の残り時間は17分、斎藤慎八段は一分将棋です。
先手の猛攻が続いていますが、一分将棋の斎藤慎八段が正確にしのいでおり、形勢は後手よしと見られています。斎藤慎八段のゴールが近づいていますが、まだ勝勢とまではいえない状況で、この後も時間との勝負が続きます。このまま完走することができるのかどうか。

Dsc05510 斎藤慎八段の2年連続挑戦が近づいてきている。

20260312100時刻は16時を回りました。ここまでの消費時間は▲永瀬2時間17分、△斎藤3時間。
斎藤慎八段は96手目で持ち時間を使い切っています。局面は難解ですが、ここからは1手60秒未満で指し続けなければいけません。盤上は先手が攻めて、後手が受ける展開が続いています。ただ、先手の攻めも快調に続いているとは言い難く、後手玉は入玉の含みも出てきています。対局立会人の佐藤義九段は、「形的には斎藤八段を持ちたい。しかし時間がないですかね」と評しています。

Dsc05449_2 斎藤慎八段は時間との戦いも加わった。

Dsc05513 永瀬九段は時間の配分はうまくいっている。

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図は15時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲永瀬1時間59分、△斎藤2時間18分。
▲4七桂は後手の角の引き場所をなくして、次に▲1八歩で角を取りにいく狙いがあります。斎藤慎八段が、この狙いをどうしのぐのか。対局立会人の佐藤義則九段は「△3六桂が一目だけど、簡単ではないですね」と見ています。この攻防の結果で、形勢が動くかもしれません。

Dsc05506 角を狙われた斎藤慎八段。勝負どころだ。

2026031261図は14時頃の局面。ここまでの消費時間は▲永瀬1時間32分、△斎藤1時間43分。
盤上は先手が攻めて、後手が受ける展開が続いています。桂取りに突かれた△4四歩に対して、永瀬九段は▲3三歩と打ってから、△同桂に▲2四歩と突く複雑な組み立てを見せました。先手の攻めが続くかどうかは際どいところ。単純な攻め方では続かないようです。

Dsc05452 高度な技を駆使する永瀬九段。攻めを続けられるか。

Dsc05480 ヒューリック将棋会館千駄ヶ谷ビル。

Dsc05482 棋士の出前注文でおなじみの「棋の音カフェ」」が1Fに入っている。

Dsc05484 こちらも出前でおなじみの「千駄ヶ谷厨房」。

Dsc05486 旧将棋会館の向かいにある「鳩森八幡神社」。新会館からは徒歩3分ほど。

Dsc05490_2 将棋堂。

Dsc05491 河津桜が満開だった。

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Dsc05503 再開5分前の対局室。このあと永瀬九段はいったん席を外した。

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Dsc05516 再開が告げられると斎藤慎八段が△2二銀を着手。

Dsc05519 午後の戦いが始まった。