ファンの前で意気込みを語る
終局直後
■斎藤慎太郎八段
――角換わりは予定だったか。
斎藤 ▲1五歩(27手目)と(位を)取るくらいまではこうやろうかなと。
――ここまで相掛かりが続いていた。
斎藤 黒星先行になったので気分を変えて、という感じで思っていました。
――長い中盤戦が続いて一分将棋に入った。
斎藤 じりじりした中盤戦であまり展望は見えてなくて自信はなかったんですけども、▲6一角(81手目)と打ったあたりでチャンスが来たかなと思ってはいたんですが、そのあと金銀をたくさん取られて自信があったわけではなかったです。
――▲3五銀(121手目)は鋭い踏み込みだった。
斎藤 銀取りだったのを活用して自玉がちょっと安全になったような気がしたので、そこは少し見通しが立ってきたかなと思っていました。
――一局を振り返って。
斎藤 序盤は先手番としては妥協したような感じで自信はなかったんですけども、息長く中終盤に備えたあたりの辛抱が実ったところがあるのかなと思います。
――第5局に向けての意気込みを。
斎藤 ここまでと変わらず、平常心で臨めるようにと思います。
■伊藤匠叡王
――序盤の進行は想定していたか。
伊藤 相早繰り銀の可能性もあるかなと思っていたんですけども、いろいろ組み合わせが多いと思うので、そのあたり構想をどう練っていくかという将棋だったかと思います。
――長い中盤戦、どのように考えていたか。
伊藤 こちらは△5四銀(42手目)から△4三銀(44手目)と引きつけたんですけれども、7筋方面から開拓されたときに対抗策が見えなくて、自信のない展開にしてしまったかなと感じていました。そこからは終始、自信のない展開かなと感じていました。
――最後まで苦しいままだったか。
伊藤 一分将棋に入ってからは好転していた場面もあったかもしれないですけど……。自陣に金銀を打ちつける展開になったんですけど、駒を使った割にあまり機能していなかったかなと思うので、そこでまた苦しくしたかなと思います。
――一局を振り返って。
伊藤 自信のない時間帯が長かったので、中盤の構想力を磨いていかないといけないかなと感じました。
――第5局に向けての意気込みを。
伊藤 精いっぱい頑張りたいと思います。
挑戦者が制してフルセットに
斎藤八段も秒読みに
伊藤叡王が秒読みに入る
最後の長考
伊藤叡王、53分の長考で△6四歩(58手目)と指しました。まだ中盤の早い段階という状況ですが、伊藤叡王の残り時間は約20分。最後の長考です。大盤解説会には佐藤康九段が2回登場しましたが、解説中に一手も動かないという珍事が起こりました。
「しかし動かないですね。私まだ一手も動かしてないんですけど。時間を使ったからじっとした手を指しそうなんですけど、そのじっとした手がわからないんですよね。なのでこの手は指さないという予想をします。△4五歩ですね。明らかに辛抱が足りない手で、私が指しそうな手なので」(佐藤康九段)
控室では進行の遅さに、勝又七段が「指さないねえ」と驚きとも感嘆ともつかない声を漏らしています。
驚きの地獄突き
ダブル解説
大盤解説会では飛び入り参加の勝又清和七段が三枚堂七段と解説していました。勝又七段は石田和雄九段門下、三枚堂七段も少年時代に石田九段の道場で腕を磨いた縁のある棋士です。2人は第5局の大盤解説会を担当します。
【第10期叡王戦五番勝負 第5局 のお知らせ】
https://kashiwa-shogi.com/eiousen10/