2023年4月11日 (火)

終局直後

Dsc_4585(藤井叡王が勝利。秒読みになっても盤石の指し回しだった)

――午前中の展開について。

藤井 ▲9五歩(13手目)と位を取った形をどう生かせばよいか、わからないまま進めていました。

――仕掛けからの流れについて。

藤井 動いていったのですが、いったん受け止められた形になってしまい、あまりうまくいっていないのかなと思いました。▲6八銀(59手目)と引いたあたりでは仕掛けていった成果が挙がっていなのかなと。

――その後は後手から端攻めがあった。

藤井 こちらが駒得の形になったので、端を突破されなければ何とか指せそうかなと思いました。

――△5五歩(102手目)に時間を使い切って▲同歩としました。あのあたりは。

藤井 どういう方針で指すか、わからないところではありました。

――手応えを感じた局面は。

藤井 決め手を得られない時間が長かったですが、▲5二香成(141手目)で攻めがつながる形になりました。

――先に持ち時間を使い切った。難しかったところは。

藤井 攻め駒が少ない形なので、どのようにして戦いを起こしていくか。そのあたりが難しいところでした。

――本局全体を振り返って。

藤井 序中盤は苦心したところが多かったのですが、終盤は相手の攻めを受け止める形になって、そのあたりで指しやすくなったかなと思います。

――タイトル戦で初めて振り飛車党を相手にすることになった。

藤井 タイトル戦以外でも対抗形は指しているので、これまでと違ったということはありませんでした。シリーズということで第1局以降も続いていくので、本局の内容を踏まえて戦えていければと思います。

――第2局に向けて。

藤井 本局は途中で時間が少なくなってしまったので、時間配分も含めて、よりよくできていければと思います。

Dsc_4617(敗れた菅井八段)


――駒組みについて。

菅井 そんなに成功はしていないのですが、将棋として仕方ない展開かと思いました。普通の形より少し損をしているので、そのあたりがどうだったのかなと。

――仕掛けから後手が桂損になった。

菅井 ▲3八飛(67手目)に△2六歩を突けないとまずい形ですし、その前に△3四歩とした手を後悔していたので、そのあたりがよくなかったです。

――そのあたりは誤算があったのか。

菅井 ▲3八飛があまり見えていなかったので、そこで形勢が苦しいと感じてしまいました。

――その後の端攻めについて。

菅井 もう少し早く端を攻める展開もあったと思うのですが、それと比べて本譜はすごい損をしているので。その前に△4六歩(68手目)▲同角△4五桂としたのですが、そこからはうまく指されるとまずいと思いました。

――本局全体の感想。

菅井 中盤の重要な局面で、自分のほうが正確性がなかったので、そのあたりは反省しています。

――久しぶりのタイトル戦だった。

菅井 気持ちも入りますし、真剣に勝負できているので、いい経験になっています。

――タイトル戦で藤井さんと戦ってみての印象は。

菅井 それはいちばん最後(このシリーズを終えたあと)にします。

――叡王戦は不二家が主催している。おやつなどについて。

菅井 どういうおやつを選ぶかも考えます。今日はそれほど余裕がなかったのですが。

――第2局に向けて。

菅井 精いっぱい頑張りたいと思います。

Dsc_4628 

Dsc_4642