(藤井叡王が勝利。秒読みになっても盤石の指し回しだった)
――午前中の展開について。
藤井 ▲9五歩(13手目)と位を取った形をどう生かせばよいか、わからないまま進めていました。
――仕掛けからの流れについて。
藤井 動いていったのですが、いったん受け止められた形になってしまい、あまりうまくいっていないのかなと思いました。▲6八銀(59手目)と引いたあたりでは仕掛けていった成果が挙がっていなのかなと。
――その後は後手から端攻めがあった。
藤井 こちらが駒得の形になったので、端を突破されなければ何とか指せそうかなと思いました。
――△5五歩(102手目)に時間を使い切って▲同歩としました。あのあたりは。
藤井 どういう方針で指すか、わからないところではありました。
――手応えを感じた局面は。
藤井 決め手を得られない時間が長かったですが、▲5二香成(141手目)で攻めがつながる形になりました。
――先に持ち時間を使い切った。難しかったところは。
藤井 攻め駒が少ない形なので、どのようにして戦いを起こしていくか。そのあたりが難しいところでした。
――本局全体を振り返って。
藤井 序中盤は苦心したところが多かったのですが、終盤は相手の攻めを受け止める形になって、そのあたりで指しやすくなったかなと思います。
――タイトル戦で初めて振り飛車党を相手にすることになった。
藤井 タイトル戦以外でも対抗形は指しているので、これまでと違ったということはありませんでした。シリーズということで第1局以降も続いていくので、本局の内容を踏まえて戦えていければと思います。
――第2局に向けて。
藤井 本局は途中で時間が少なくなってしまったので、時間配分も含めて、よりよくできていければと思います。
菅井 そんなに成功はしていないのですが、将棋として仕方ない展開かと思いました。普通の形より少し損をしているので、そのあたりがどうだったのかなと。
――仕掛けから後手が桂損になった。
菅井 ▲3八飛(67手目)に△2六歩を突けないとまずい形ですし、その前に△3四歩とした手を後悔していたので、そのあたりがよくなかったです。
――そのあたりは誤算があったのか。
菅井 ▲3八飛があまり見えていなかったので、そこで形勢が苦しいと感じてしまいました。
――その後の端攻めについて。
菅井 もう少し早く端を攻める展開もあったと思うのですが、それと比べて本譜はすごい損をしているので。その前に△4六歩(68手目)▲同角△4五桂としたのですが、そこからはうまく指されるとまずいと思いました。
――本局全体の感想。
菅井 中盤の重要な局面で、自分のほうが正確性がなかったので、そのあたりは反省しています。
――久しぶりのタイトル戦だった。
菅井 気持ちも入りますし、真剣に勝負できているので、いい経験になっています。
――タイトル戦で藤井さんと戦ってみての印象は。
菅井 それはいちばん最後(このシリーズを終えたあと)にします。
――叡王戦は不二家が主催している。おやつなどについて。
菅井 どういうおやつを選ぶかも考えます。今日はそれほど余裕がなかったのですが。
――第2局に向けて。
菅井 精いっぱい頑張りたいと思います。