藤井叡王は昼食休憩を挟む51分の考慮で▲8六金と上がりました。対して出口六段は△8六同角▲同歩に△7六銀(2図)と角切りから勝負に出たのです。
2図から▲6六角△7七歩▲同銀△同銀不成▲同角△7六銀に▲6一角(3図)と先手も攻め合いに出ました。
▲6一角が放たれたとき控室では「銀ではなく角」と歓声が上がりました。銀の割り打ちが打てる場面で角を打つのは珍しいかもしれません。△8二飛には▲8三銀△6二飛▲7二角成と飛車を捕まえにいく狙いがあります。
しばらくは先手ペースで進んでいましたが、▲6五桂(4図)で検討陣の評価が変わってきました。▲6五桂は△6一金に▲5三桂不成を用意した意味ですが、△4二玉と上がって▲2一飛の王手を未然に防いでおく手があって、現在は激戦と見られています。