11時55分頃の局面。
先手はじっくり駒組みする方針を選択しました。現在先手は2歩得で、持ち歩の数も先手の3歩に対して、後手は0。控室ではこの差が大きいと見られて先手持ちの見解は変わっていません。
対局室には、千田四段が秒を読まれる声が響きます。昨日と同様に中盤で時間を使い果たした千田四段。この難局を乗り切れるでしょうか。
解説会は、加古川ゆかりのトッププロ久保利明九段と長谷川優貴女流二段が登場。
「こういう将棋は指したことがないから解説が難しいですけど、どっちかを持てと言われたら、3歩持っている先手を持ちたいですね」(久保九段)
久保「千田さんは関西の棋士ですが、長谷川さんは記録を採ったことはありますか?」
長谷川「はい。一度記録を採らせていただいたんですが、感想戦が終わった後にすごく詳しく教えていただいたことがあります」
(八雲)
大盤解説会は、谷川九段が登場。
「2手前は後手の角が通っていて、先手の角の働きが悪かったわけですが、いまはその関係が逆転していますね。後手は角をどう使っていくかが課題です」(谷川九段)
谷川九段の解説の局面がこちら。2手前は、先手の角が8八、後手の3三桂が2一にいた。
解説の相手を務めるのは船江五段。
「船江さん、今日は解説で真面目なことしか言ってなかったですね」と、関係者の声。相手が偉大な大先輩ということで、緊張気味のようだ。
解説会場には多くのお客さんが詰めかけている。
船江「千田さんは、今日も早い段階から時間を使っていますね」
谷川「昨日の棋譜も見たのですが、序中盤から時間を使ってしまい、勝負どころを迎える前に1分将棋になっているんですね。これでは、実戦的に勝ちづらいでしょうね」
船江「谷川先生は時間の使い方をどのようにされていますか」
谷川「相手とあまり差が付かないには気を使っています」
(八雲)