【終局直後の稲葉聡アマへのインタビュー】
── 今のお気持ちを聞かせてください。
稲葉 勝つと思っていなかったので……嬉しいですね。
── シリーズを通しての感想は?
稲葉 熱戦が続いたので良かったです。
── 第5代加古川青流戦の王者となりました。
稲葉 はい、嬉しいです。
【終局直後の増田康宏四段へのインタビュー】
増田 第2局を勝ち切れなかったことが、流れを悪くしたかなと思います。
増田 そうですね、初めてこのような舞台に立てて、とても良い経験ができました。
(夏芽)
決勝三番勝負第3局は91手で稲葉アマが勝ちました。終局時刻は16時11分。消費時間は▲稲葉アマ58分、△増田1時間0分(チェスクロック使用)。稲葉アマが2勝1敗で決勝三番勝負を制し、アマチュアとして初の棋戦優勝を果たしました。
(飛龍)
局面は79手目▲4三金打まで進みました。以下△2二玉に▲1五桂が厳しく、控室は「稲葉アマがリードしたのではないか」との見解です。
(控室では複数の継ぎ盤が熱心に動かされている)
15時50分、局面は67手目▲5三金まで進みました。互いに我が道をいく攻め合いになっています。
(時刻はもうすぐ16時。少しずつ外の日が落ち始めている)
(いよいよ寄せ合いへと突入。増田四段はすでに一分将棋だ)
15時35分、局面は61手目▲7七歩まで進んでいます。先手は▲6三歩成と、と金を作りたいところですが、稲葉アマはジッと歩を打って△7七歩の攻めを消しました。
(稲葉アマは史上初、アマチュアによる棋戦優勝にあと1勝)
15時10分、稲葉アマが5筋に拠点を作った手に対し、増田四段は△7五歩と仕掛けていきました。
(大盤解説会場でも「ああ、いきましたね」と谷川九段)
(現役最年少棋士の増田四段は棋戦初優勝なるか)
局面は43手目▲5五同銀まで進んでいます。先手の稲葉アマは右銀を四段目に繰り出したあと、5筋で歩を交換し、対する増田四段は8筋に右銀を繰り出す「棒銀」を選んでいます。
(検討の合間も笑いが絶えない神吉七段と久保九段)
(長谷川女流二段は別の継ぎ盤で検討中。真剣な表情です)
(大盤解説会場では稲葉陽七段と村田智穂女流二段が壇上に上がっている)
(兄の将棋を解説する稲葉陽七段)
(聞き手の村田智穂女流二段)
村田「兄弟で将棋を指すことはあるんですか?」稲葉「あまりないですね。そのとき強い方が嫌がる感じで、最初は兄の方が強くて『指そう』と誘っても嫌がられたんですけど、逆に今は兄の方から誘われても、僕の方が嫌っていうのはありますね。立場的なものもありますし(笑)でも兄が奨励会編入試験を受けたときは、さすがに指しました。そのときよりは、強くなっていると思います」
戦型は第2局に続き、相矢倉になりました。まだ前例の多い進行をたどっています。
(控室では、谷川九段と井上九段の兄弟弟子が継ぎ盤をはさんでいる)
14時になり、第3局が始まりました。振り駒の結果、先手は稲葉アマに決まりました。
(先手番の稲葉聡アマ)
(後手番の増田康宏四段)
(3手目▲6八銀。戦型は第2局に続き、相矢倉になりそうです)