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2012年10月28日 (日)

第2局は千日手が成立

Seiryu201210280101_68 第2局は68手で千日手が成立しました。終局時刻は12時12分。消費時間は両者1時間0分(持ち時間1時間、チェスクロック使用)。指し直し局はこのあとすぐ行われる予定です。
(翔)

千日手の可能性濃厚

同一局面が3回。千日手の可能性が濃厚だ。控え室では関係者が慌ただしく動き回っている。

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難解な中盤

_56先手が攻め、後手がその攻めを受ける。難しい局面が続いている。ここから▲6九飛△8八馬▲6八飛△9九馬▲6八飛……と進めばさんざん懸念された千日手だ。先手は自信がなければ千日手に進めるだろうし、後手も自信が持てなければ応じることになる。ただ、▲6八飛のときに△7八歩と変化する手もある。
大盤解説会では船江五段が「この金(6七金)はいないほうがいいですよね。そうそう、皆さん『太閤将棋』って知ってますか」と話していた。

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_0これが太閤将棋。駒を落としている上手が先に指すので、いきなり△8七飛成と成れる。
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桂を足がかりに

_47_2慎重な時間の使い合いから一転、駒を取り合ってぱたぱたと指し手が進んだ。後手は△5五角成で馬を作り好調に見えるが、先手の▲4六角(図)も狙いを秘めた切り返し。飛車、桂と連係しての重い一発を振りかぶっている。五段目に跳ね出した桂が大きな足がかりだ。一方の後手は飛車先がひとつで止まっていて、飛車の働きがいまひとつ(先手の速攻はこれを狙ったものでもあるのだが)。今は先手の狙いを消しつつ、どこで反撃に出るかを考えていくことになりそうだ。
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(表彰状の用意が進んでいた。名前の欄は当然空いたまま。今日この表彰状を持って帰るのはどちらか)

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受ける後手、攻める先手

_40永瀬五段は長考の末に△3三桂(図)と跳ねた。王手のラインを消した手だが、この瞬間は先手に手を渡すので、好き放題を許すことになる。「やってこい」という手で、長考はこれで大丈夫と読むための時間だったようだ。「二人ともらしさが出てますよね」と、大盤解説の久保九段。「伊藤さんはさばく棋風なんですね。私もさばく棋風なんですけど、森下さん(卓九段)と将棋を指したときに、歩をたくさん突いたら全部同歩と取られて負けたことがありました。ああ、こんな指し方もあるんだなと勉強になりましたね」と話して笑いを誘っていた。そのさばく棋風の伊藤四段、図から▲6五桂と跳ねて果敢に後手陣に迫っていった。△7七角の反撃が見えるだけに決断の一手だ。

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(加古川観光大使も務める久保九段)

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(会場で配られている加古川案内マップ)

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(王将戦七番勝負第4局が行われた鶴林寺も載っている)

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永瀬五段、長考

伊藤四段が攻めを見せた局面で永瀬五段が長考に沈んでいる。4階の大盤解説会には、雨にもかかわらず多くの来場者が訪れていた。解説は菅井五段と村田女流二段にバトンタッチ。「歩がないので先手の攻めがちょっと軽いと思うんですけど、でもよく考えてみるとやっかいですね」と菅井五段。

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(市役所前にある鹿児(かこ)の庭)

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(加古川プラザホテルでは利き酒のイベントが行われている)

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斜めのラインが急所

_34永瀬五段は角交換から△3三角(図)と角を打つ。後手は玉のコビン、先手は飛車のコビンがそれぞれネックになっている。この角打ちは急所のラインに先着することで相手の狙いを消し、逆に飛車を攻める切り返しになっている。実戦は図から▲5五角△同角▲同銀△6五歩▲6八飛と進行。先手は軽い形だが、腰が座った攻めができるのかという懸念はある。受けを得意とする永瀬五段にとっては腕が鳴る局面だろう。逆にうまく手にできれば、先手にとっておもしろい展開になる。
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(大盤解説会では船江五段と室谷女流初段が解説中)

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(控え室では淡路九段、久保九段、稲葉六段が継ぎ盤を囲む。淡路九段と久保九段は師弟)

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伊藤四段の石田流

_24初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩△4二玉と進み、伊藤四段の石田流を永瀬五段が対抗形で受ける形になった。これだけ見ると永瀬五段が得意戦法を譲ったようだが、「振り飛車党は研究しているので裏表指せる」とは菅井五段の弁。久保九段や菅井五段も石田流を得意にすることで知られるが、相手の石田流を受けることもよくある。自分の研究に自信があれば、振り飛車と居飛車どちらを持つかは関係ない、ということだろう。
実戦は図から▲5八金左△2二玉▲6五歩と進行。ゆっくりした駒組みが続くかと思われたが、伊藤四段が仕掛けて戦端が開かれた。
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(加古川名物、「かつめし」が食べられるお店を紹介するパンフレット。前夜祭にも登場したイメージキャラクター「かっつん」がいる)

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第2局、対局開始

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解説の準備?

9時40分、控え室では菅井五段と稲葉六段が練習将棋を指している。

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(「船江さん、詰ましてくださいよ」「詰まん。……投げっぷりが悪いなあ」)

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