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■永瀬拓矢五段
「本日はお越しいただいてありがとうございます。私は加古川に来るのは2回目で、一昨年の鶴林寺で行われた竜王戦のときにお仕事でお招きいただきました。今回、対局者として来ることができて光栄に思います。今日の第1局は不出来で恥ずかしい将棋を指してしまい申し訳なかったのですが、2局目は自分の力を120%以上出していい将棋を指したいなと思っています」
■伊藤真吾四段
「皆さんこんばんは。棋士の伊藤真吾です。加古川市は棋士のまちということで、加古川青流戦を作っていただき本当にありがとうございます。去年の決勝戦を見て僕もこの舞台に立ちたいなと思いました。1年間恋焦がれて、やっとこの舞台に立つことができました。今日は残念な結果だったんですが、このことは忘れて、明日は準決勝進出という気持ちで頑張りたいと思います。明日はいい将棋を指したいと思いますので応援よろしくお願いいたします」
■乾杯
坂田重隆・加古川市議会議長
「永瀬五段、伊藤四段、ようこそ加古川へお越しくださいました。去年から加古川青流戦が開催され、若い棋士の登竜門を目指しております。また棋士のまち加古川を全国へ発信しております。このたびおふたりが加古川市で開催される対局にご参加いただけるということは本市にとっても意義深いことです。おふたりのご健闘と日本将棋連盟のますますのご発展、今回参加されている皆様のご健勝とご多幸をお祈りして乾杯したいと思います」
(書き起こし=翔、写真=文)
18時30分、「加古川プラザホテル」2階で前夜祭が始まった。
■主催者あいさつ 加古川市
樽本庄一市長
「第2期の加古川青流戦は永瀬拓矢五段と伊藤真吾四段の決勝戦になりました。本日第1局が行われましたが、勝敗は別としておふたりとも明日は頑張っていただきたいと思います。ご存じの通り、加古川は棋士のまちを標榜しております。そしてこの加古川青流戦は私どもが日本将棋連盟そして神戸新聞社にお願いし、また市内の企業の協賛を得て公式棋戦として開催させており、2回目となったところであります。将棋界を背負うと言われている四段の方々全員と三段の上位の方々、また女流棋士・アマチュア総勢44名が参加し5月に開幕しました。その結果、このおふたりが今日その座を争うということになりました。明日もありますので今日ご参加の皆様にも大盤解説会に足をお運びいただきたいと思います。今日の大盤解説会で船江君がこのふたりのどちらがファンが多いかということを言っていました。どちらも同じくらいの拍手がわきました。どちらも明日は頑張っていただきたいと思います。今日ここにはたくさんのプロ棋士も来られていますので、将棋の話、楽しい話をして前夜祭を盛り上げていただきたいと思います」
■主催者あいさつ 日本将棋連盟
常務理事 東和男七段
「昨年は船江-里見戦から始まり、船江-宮本戦の決勝となり、船江・当時四段の優勝でまさしく加古川のための棋戦でした。今回は関東同士の決勝戦で残念に思っている方もいるかもしれませんが、永瀬五段は新人王戦でも決勝に進出しており、将来を嘱望される棋士で、今日の第1局の勝利で今年度の勝率が8割になりました。伊藤四段は奨励会に14年いて、普通なら『苦節14年』と言われるところですが、ご覧の通りさわやかで苦労を感じさせません。今日も講師を務めているレディースセミナーの生徒さんが数人、東京から応援に来られているそうで、そういうところにも素晴らしい人柄が表れています。また今期の加古川青流戦では30歳以上の出場者は3人で、伊藤四段はその世代の代表とも言えます」
(加古川市のキャラクター、ウェルピーが花束贈呈にやってきた)
(伊藤四段にはかっつんから花束が渡された。加古川の名物、かつめしのイメージキャラクターだ)
(書き起こし=翔、写真=文)
BAN-BANテレビによるインタビューののち、二人は解説会場へ移動。船江五段の質問に答えながら、ファンの前で感想を話した。
船江「永瀬さん、一局を振り返っていかがでしたか」
永瀬「序盤は失敗してしまって自分らしいなぁと思ったのですが、開き直れました」
船江「▲7三歩成(19手目)、私は見たことがなかったのですが、あれは作戦でしょうか」
永瀬「作戦でしたが、うまくいきませんでした」
船江「伊藤さんはいかがでしたか」
伊藤「序盤は工夫できたかなと思います。終盤は追い込めたけど……相手の持ち駒が多かったですね(会場笑)」
船江「随分追い込みましたね。先手玉は初形に戻っていますし(会場笑)。明日に向けての抱負をお願いします」
永瀬「今日は序盤で失敗してしまったので、序盤でリードしてそのままゴールしたいと思います」
伊藤「ゴールさせないように、はばみたいと思います」
(以上、棋譜コメントより)
そして最後にお楽しみ抽選会。二人の色紙がプレゼントされるということで、まず永瀬五段がくじを引く。……が、当たった人は現れず。2回目の当選者は見事色紙を手に入れた。伊藤四段もくじを引き、こちらは1回目でもらい手が現れた。「対局する前に(抽選会を)やりたなかったなあ」と伊藤四段が冗談めかして言うと、「第1局に負けるといいことありますからね。私が保証します」と船江五段が返す。船江五段は昨年第1局に敗れたが、続く第2局と第3局を連取して優勝したからだ。抽選が終わると、二人は頭を下げ、会場を後にした。
(文)
■永瀬拓矢五段
――第1局を終えていかがでしょうか。
「序盤早々失敗してしまったのでひどかったと思います」
――転機はどのあたりでしたか。
「自分らしく受けに回ったのでちょっと盛り返したかなと思いました」
――今日を振り返ってください。
「内容が悪かったので明日はこれよりはいい将棋を指したいと思います」
――改めて、明日への抱負を聞かせてください。
「本局は序盤で失敗してしまったので、次局は序盤を失敗しないようにして力を出し切りたいと思います」
■伊藤真吾四段
――第1局を振り返っていかがでしょうか。
「序盤はうまく立ちまわれたかと思ったのですが仕掛けのあたりで失敗してしまいまして、そのあとはチャンスらしいチャンスはなかったように思いますね」
――今日の相手の印象はいかがでしたか。
「相手、強いですね(笑)。……相手の印象というのは……、予想外の展開になりましたので2局目は気持ちを切り替えて臨みたいと思います」
――明日への抱負を改めてお願いします。
「明日は先後が入れ替わるので、また作戦を練り直してまた一からやりたいと思います」
(文)
第2期加古川青流戦決勝三番勝負第1局は15時20分、109手までで永瀬五段の勝ちとなりました。 消費時間は両者1時間0分(持ち時間各1時間、チェスクロック使用)。
第2局は明日28日10時より、本局と同じく加古川市立青少年女性センターにて行われます。
(翔)