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両対局者は解説会場に移動し、一言ずつ感想を話した。続いて表彰式が行われ、常務理事の東七段から表彰状が、樽本市長から記念カップが渡された。
――千日手を打開するなら永瀬五段と言われていましたが。
永瀬「私は『千日手はいかん、いかん』と思っていて打開はしたかったのですが、打開したときの局面を五分にする自信がなかったので、申し訳ないのですが千日手にしてしまいました」
伊藤「打開されてもあまり自信がなかったです。仕掛けていったのですが、相手が受けの達人とあっては攻めが切れてしまいそうな局面になってしまい、千日手も仕方がないかなと思いました」
――指し直し局がすぐに始まりました。初手から1分将棋でした。
伊藤「公式戦で1分将棋で始まるというのはあまりないですから、ちょっと戸惑った部分はありました。お互い様ですからね。気持ちはあまり切り替えられませんでした」
永瀬「千日手は打開したかったのですが、できなかったので少し引きずっていましたね」
――指し直し局を振り返って。
永瀬「千日手にはしてしまったのですが先手番を得ることはできたので、ひたすら攻めようかなとは思っていました」
伊藤「いや、受けてくると聞いていたので予想外でしたね(会場笑)。話が違うなと指しながら思っていました」
――ファンの皆様に一言。
伊藤「残念です。加古川自体はいい所なんですが……これは実力ですからね。たくさんの方に応援していただいて嬉しかったです。また来年頑張ります。ありがとうございました」
永瀬「休憩を挟まないで観戦していただいた方にもご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。千日手にはどうしてもしたくなかったのですが、結果的には勝つことができてよかったです。来年は出られない棋戦で、対局者として来ることはもうないので、勝つことができてよかったです。他棋戦で活躍して、加古川青流戦のときに呼んでいただけるような棋士になりたいと思います。ありがとうございました」
(書き起こし=翔、写真=文)
■永瀬拓矢五段
――今の率直な感想を教えてください。
「よく分からない将棋だったのですが最後寄せが見えて勝ちになったかなと思いました」
――千日手指し直しはかなり攻めている様子が伺えました。
「先手番になって先攻しやすいので、先攻を目指していました」
――加古川青流戦、第2期の王者となりました。
「率直に嬉しいなと思います」
――相手の印象はいかがでしたか。
「終始、粘り強く指されました」
■伊藤真吾四段
――今の率直な感想を教えてください。
「実力なので仕方がないです」
――千日手もありましたが、振り返ってみていかがですか。
「1局目もそうですが、指し直し局もまあまあ上出来な序盤だったので、ちょっと悔い
が残るというか、もう少しうまくできたのではないかと思います」
――どのあたりが分かれ目でしたか。
「細かいことなのですが、銀を動かしたりするようなところがもう少しうまくできたかと思います。残念です」
(書き起こし=翔、写真=文)
第2期加古川青流戦決勝三番勝負第2局指し直し局は、89手で永瀬五段の勝ちとなりました。終局時刻は13時47分。消費時間は両者1時間0分(持ち時間各1時間、チェスクロック使用)。この結果、永瀬五段が第2期加古川青流戦の優勝者に決まりました。永瀬五段は公式戦初優勝となります。
(翔)