2024年8月31日 (土)

勝負手で形勢不明

2024083168_2福間女流五冠の勝負手で、ヨリが戻ったと見られています。△3八竜でと金攻めが受かりませんが、▲3九歩△2八竜▲6五歩△3七歩成▲5九銀がよい勝負手でした。

2024083173飛車を竜にぶつけています。後手は△1九竜と交換を避けたいですが、それは▲9四桂△7一玉▲5五飛△同銀▲同角がうるさいようです。

79△5三香と角を追うと、▲6四歩△5五香▲6三歩成△同銀▲6四歩の進行が予想されます。

85先手玉は絶対に詰まない形で、△5九香成と銀を取られても詰めろにならないため、寄せに専念できます。「これは後手がしのげる気がしない……」と羽生九段。

西山白玲は△5八竜と飛車交換に応じましたが、これでは明らかに予定変更で後手変調です。形勢不明で終盤に突入しました。

2024083174

Dsc_5243_2(福間女流五冠。勝負手が功を奏し、形勢が悪化しそうなところを踏みとどまった)

後手ペースに

2024083159

手筋の端攻めに、西山白玲がうまい対応を見せました。▲9五歩に、△同歩は▲9二歩△同香▲9三歩△同香▲9四歩△同香▲8六桂があります。実戦は△3六歩と垂らしました。

2024083160▲9四歩よりも、飛車を攻める△3七歩成のほうが厳しいので、▲3八歩と受けるしかありません。それを見てから△2四角(△5七角成▲同金△4八竜の狙い)▲5八飛△9五歩が絶妙でした。

2024083164端で歩切れを解消すれば、次は△4六歩のと金攻めが厳しいです。3筋の利かしは後手の得になっており、△2四角に▲5八飛の受けを限定しています。もし3筋の利かしがないと、△2四角に▲1八飛の余地を与えるところでした。

実戦も、△9五同歩に▲9三歩△4六歩で後手の狙いが実現しています。駒の勢いを重視する西山将棋を支えるのは、中盤での繊細な指し回しです。歩を垂らすタイミング、手を戻すタイミングを間違えないからこそ、激しい攻めがつながっていきます。控室の検討を上回る押し引きのうまさでした。

Dsc_5224(西山白玲がペースを握った)

対局場周辺の観光スポット

Dsc_5123(台場駅を降りて北に向かうと、お台場海浜公園がある。奥に見えるのは、レインボーブリッジ)

Dsc_5139(レインボーブリッジ前にあるのは、第六台場)

Dsc_5134(周辺はランニングコースになっている)

Dsc_5142_2(「自由の女神像」は撮影の人気スポット)

Dsc_5135(フジテレビ本社ビル。BSフジでは、『白玲 ~女流棋士No.1決定戦~』が放映されている)

Dsc_5120(台場駅から南側に向かうと……)

Dsc_5155(「実物大ユニコーンガンダム立像」がある。多くの人がカメラを向けていた)

Dsc_5156

Dsc_5163

グランドニッコー東京 台場

対局場の「グランドニッコー東京 台場」は、2016年に開業したホテルです(オーナーはヒューリック株式会社)。「東京臨海新交通臨海線」(ゆりかもめ)の台場駅から徒歩1分の距離にあり、白玲戦は第1期から4年連続で開幕戦が行われています。同所で西山白玲は第1期、福間女流五冠は第2・3期で勝利しました。

【お台場のホテル グランドニッコー東京 台場】
https://www.tokyo.grandnikko.com/

Dsc_5145

桂得と竜の戦い

2024083150▲3四歩と3筋を取り込んだ手に、△4六桂は検討陣の意表を突きました。代えて△3二飛▲3八飛△4六桂とせず、単に桂を打ったのは▲3八飛を消してから3筋に飛車を動かそうとしています。
実戦は▲6八金寄△4四飛▲4七歩△3四飛▲4五歩△3九飛成▲4五歩の進行です。

2024083157

先手は▲4四歩から4筋突破を楽しみにしています。羽生九段は「△1九竜は▲3八飛が嫌なんですよねぇ……」と△5六歩から△5五銀とぶつける手を検討していました。しかし、実戦は△3三角。遊んでいる角をじっと動かして、2四や1五の活用を含みにしています。
福間女流五冠は飛車と角が自陣に残ったまま攻め込まれる展開になると、一方的になりそうです。ここでうまい手があるか、勝負どころを迎えています。

Dsc_5308(△4六桂に検討中の控室。羽生九段は朝から継ぎ盤の前に座っている)

Dsc_5313(清水女流七段は先手を持っている)

午後のおやつ

15時、午後のおやつが出されました。福間女流五冠は「フルーツ盛り合わせ」、「完熟オレンジジュース」、「信州りんごジュース」、「ホットコーヒー(ノンカフェイン)」。西山白玲は「チョコミルクレープ」、「ホットティー」です。

Dsc_5289(福間女流五冠のおやつ)

Dsc_5305(西山白玲のおやつ)

現地大盤解説会

14時から現地大盤解説会(申し込みは締め切り済み)が始まっています。解説の村中七段と聞き手の小高女流初段は、序盤から解説を進めていました。

Dsc_5263

Dsc_5270(村中七段)

Dsc_5274(小高女流初段)

西山流の駒運び

2024083134_2豪腕の西山白玲らしい指し回しが、控室の注目を浴びています。図は▲6六歩に△4五歩と突いたところ。▲同銀は△5五角、▲同歩には△5四歩から位を狙います。実戦は▲4五同歩△5四歩▲同歩△同銀▲4八飛△5五歩▲6七銀△3三桂!と進みました。

2024083142検討していた羽生九段は「ええー!」と大きな声を上げました。△3三桂は積極的で、▲3七桂なら△4五桂▲同桂△同銀▲3七桂△4四歩▲4五桂△同歩の狙いと予想されています。

50後手は△5四桂から△6五歩や△4六歩が楽しみです。しかし、△4五同歩に▲3五歩(△同歩は▲3四歩から▲3三銀)が味のよい手で、後手を持つ羽生九段は「自信がない」と話しています。

Dsc_5251(勝又清和七段が来訪し、羽生九段と意見を交わす)

Dsc_5256(「勉強しにきました」と宮澤紗希女流1級。小高女流初段、内山女流初段と検討する)

Dsc_5262(13時40分過ぎの控室。羽生九段はモニタの盤上をにらんでいる)

対局再開

Dsc_5222(対局再開前)

Dsc_5233(西山白玲は再開30分前ぐらいに対局室に戻り、盤の前で考えていた)

Dsc_5239(再開されても、福間女流五冠は指す気配がなかった)

昼食休憩時の対局室

Dsc_5203(昼食休憩時の対局室)

Dsc_5205(現局面)

Dsc_5217(福間女流五冠の玉将)

Dsc_5213(西山白玲の王将)

Dsc_5221(消費時間はほぼ互角)