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2022年9月

2022年9月 3日 (土)

終局直後

Img_2482_2(勝った里見香奈女流五冠)

―― まずは勝たれました里見女流五冠にうかがいます。▲3七銀(45手目)でお二人の対局の前例から離れました。予想されていましたか。

里見 手が広い局面なので、どうやられるかがわからず、難しいかなと思っていました。

―― 先攻して反撃される展開でした。形勢をどう見られていましたか。

里見 方針が難しいかなと思っていたので、自分の棋風に合わせて指していました。

―― 勝ちになったと思われたのはどの局面でしょうか。

里見 最後の△8七銀成(122手目)と角を取ったところです。

―― これで2連勝スタートとなりました。第3局以降の抱負についてお願いします。

里見 間隔が短いのですが、コンディションを整えて挑めたらと思います。

―― 最後に、本局は小学校の跡地というホテルでの対局でした。どのような感想をお持ちですか。

里見 とてもきれいなところで、昨日から細かい部分までお気づかいいただいたのを実感していたので、本当にありがたいなという気持ちでいました。

Img_2485(敗れた西山朋佳白玲)

―― ▲3七銀は研究手でしたでしょうか。

西山 ひとつのある展開かなと。

―― 中盤は強気の応酬が続きました。どのような方針や意識で指されていましたか。

西山 割りと手なりに指していたつもりでした。

―― 一局を振り返られて、ポイントはどのあたりにあったと思われますか。

西山 結構形勢が揺れ動いたのかなと思います。色々ありましたので、これから精査したいです。

―― 2連敗スタートとなりました。第3局以降の抱負をお願いいたします。

西山 間隔が短いですけど、気持ちを切り替えて挑みたいです。

―― 本局は小学校の跡地というホテルでの対局でした。どのような感想をお持ちですか。

西山 ところどころ名残があって、ユニークな造りで楽しく過ごさせていただきました。スタッフの皆様にも本当にサポートしていただきました。


Img_2486(終局直後の模様)

(武蔵)

挑戦者、連勝

20220903126第2期ヒューリック杯白玲戦七番勝負第2局、▲西山-△里見戦は126手までで、里見女流五冠の勝ちとなりました。終局時刻は18時3分。消費時間は、▲西山4時間0分、△里見3時間56分(チェスクロック使用)。勝った里見女流五冠は2勝0敗、敗れた西山白玲は0勝2敗となりました。

(武蔵)

白玲、持ち時間を使いきる

20220903114厳しい王手が決まりました。6九に合駒をすると、△6九同桂成▲同金に△5六飛成と角を取られて厳しいです。この局面で、西山白玲は持ち時間を使いきりました。ここからは1手60秒未満での着手になります。

Img_2230(先に持ち時間を使いきったのは、西山白玲)

(武蔵)

寄せに向かう挑戦者

20220903102△8六銀打の飛車取りで、先手玉の寄せに向かった里見女流五冠。飛車が縦に逃げると△7七歩成が厳しく、▲6七飛は△6六歩で飛車の逃げ場がありません。控室では、里見女流五冠が優勢になったといわれています。しかし、西山白玲も▲6四歩△同金に▲7六角の勝負手を繰り出しました。

20220903105角のただ捨てで懸命に食らいついています。

Img_2397(里見女流五冠は、寄せに向かう)
Img_2387(西山白玲はしのいで反撃に出られるか)

(武蔵)

高瀬川

対局場の前には、「高瀬川」が流れます。高瀬川は江戸時代に開削された人工の運河で、実業家の角倉了以(すみのくらりょうい)と、子の素庵(そあん)によって造られました。高瀬川の名前の由来は、輸送に高瀬舟と呼ばれる平底の舟が用いられたことから、名がつきました。「財産と欲望」と「安楽死について」の2つをテーマにした、森鴎外の名作「高瀬舟」の舞台としても有名です。
Img_1894(角倉了以翁顕彰碑)
Img_1956(高瀬川周辺は桜の名所でも有名で、春には一面の桜が楽しめる)
Img_1950(先日の大雨で水が溜まった一隻の船)

(武蔵)

対局場付近(3)

Img_1943(先斗町を抜けると、すぐに三条大橋が見える)

Img_1942
(三条大橋は日本で初めての石橋といわれている。中央の石柱は、旧三条大
橋に使用されたもの)

Img_1932(東海道の終点、三条大橋の西詰めに立つのは東海道中膝栗毛の主人公、弥次さん喜多さん)

Img_1934

(武蔵)

終盤の入り口

2022090381西山白玲は後手の攻めに乗じて、駒をぶつけていきます。△4六同銀▲同歩は、次に▲3六角で拠点を取り除け、▲5四角の王手も可能になります。里見女流五冠は△7六歩とじっと垂らし、手を渡します。手番を得た西山白玲は、▲8五桂△8四金▲7四歩と果敢に踏み込んでいきます。いよいよ、局面は終盤戦の入り口を迎えました。
Img_2239(じっと手を渡して、相手の動きを見る指し回し)

(武蔵)

対局場付近(2)

Img_1901(三条大橋から、『ぽんとちょう』を北に歩いていく)
Img_1917(京都といえばの石畳。左右にはお店がたくさん)
Img_1919(道が細いので、自転車は押しておくれやす)
Img_1928(鴨川をどりは、祇園と並ぶ花街・先斗町の芸妓・舞妓による舞踊公演)
Img_1922
(武蔵)

西山白玲、残り時間が1時間を切る

2022090376上図は里見女流五冠が△2八歩と手裏剣を飛ばした局面です。▲2八同金も▲同銀も△7五歩で角を移動させてからの△3六桂が、厳しい追撃となります。考慮中に西山白玲の残り時間が1時間を切りました。歩を放置して攻め合うか、受けに回るか、ひとつの岐路といえる場面を迎えています。

Img_2374(西山白玲の次の手でしばらくの展開が決まりそうだ)

(武蔵)

対局場付近(1)

対局場のザ・ゲートホテル京都は、阪急電鉄京都河原町駅や、京阪電鉄三条京阪駅、京阪電鉄祇園四条駅が最寄り駅。京都の中心地で繁華街に位置します。付近には三条大橋や四条大橋など、有名スポットが多く点在し、昔ながらの雰囲気を楽しめます。そんな京都の街並みをお届けします。
Img_1912(阪急電鉄京都河原町駅を降りると、目の前に四条大橋が)
Img_1909_2(四条大橋の向こう側には、清水寺などがある。山が近いほうが東側)
Img_1906(鴨川に隣接する料理店は、屋外で川のよく見える位置に座敷を作って料理を提供する。波は穏やか)

Img_1911(四条大橋を挟むと、流れが激しかった)

(武蔵)