2012年10月28日 (日)

第2局指し直し局は永瀬が勝利。永瀬、初優勝

Seiryu201210280102_89第2期加古川青流戦決勝三番勝負第2局指し直し局は、89手で永瀬五段の勝ちとなりました。終局時刻は13時47分。消費時間は両者1時間0分(持ち時間各1時間、チェスクロック使用)。この結果、永瀬五段が第2期加古川青流戦の優勝者に決まりました。永瀬五段は公式戦初優勝となります。
(翔)

永瀬五段、鋭い寄せ

_77永瀬五段が後手玉を確実に追い詰めている。▲7一金(図)は一段金で効率が悪いようだが、△同金▲同竜と進めば竜が近づいて受けが難しい形になる。伊藤四段は△4五角打の勝負手を放ったが、永瀬五段は▲6一金と冷静に駒を取った。いよいよ最終盤だ。

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(大盤解説は菅井五段と船江五段の兄弟弟子が担当)

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先手優勢

_62永瀬五段がコビン攻めから手番をとって好調に進めている。△7二角(図)は銀取りにはなっているが、金取りを受けた手でもあるので、すぐには動けない。受け一方になりそうでつらい手だ。先手は堅陣のうえ駒得で、悪いところがない。形勢は先手に傾いてきたようだ。伊藤四段は耐えて逆転のチャンスをつかみたい。
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小さな事件

大盤解説会では井上九段と村田女流二段が担当中。井上九段の解説に熱が入る。

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と、ここで事件が。なんと永瀬五段のボードが落ちてしまったのだ。写真を見ていただければ、落ちる予兆があるのがわかると思う。井上九段は「不吉ですね」と苦笑い。しかしその直後に永瀬五段の千日手指し直し局のデータが届けられ、永瀬五段の千日手にまつわるすごさで場が盛り上がった。

【永瀬五段の千日手指し直し局のデータ】
○○○○千○○○○●●○○○○●○○○○○●(右が新しいもの)
17勝4敗1千日手(勝率0.809)

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銀のドリブル

_35指し直し局は第1局と同じく、永瀬五段が居飛車にして対抗形を受けて立った。伊藤四段の作戦は角交換四間飛車。こちらはダイレクト向かい飛車とは違い、序盤は穏やかな駒組みになる。本局は初手から1分将棋ということもあり、進行は当然ながら早い。永瀬五段は▲6五銀~▲5四銀(図)と銀を単身で斬り込ませた。歩の裏側にもぐりこんだことで、この銀はなかなか追われない。居座ることができれば、攻めに働いて大きな戦力になりそうだ。

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(控え室では稲葉六段と菅井五段が継ぎ盤の駒を動かしている)

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(解説会場では神吉七段と室谷女流初段が解説中。1分将棋の解説は忙しい)

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指し直し局、対局開始

永瀬五段が駒袋を開ける。さすがに両者とも疲労の色は見て取れたが、永瀬五段は駒をひとつひとつ、力を込めて盤にたたきつけるように並べていた。気合十分だ。伊藤四段もぐっと背筋を伸ばして永瀬五段の初手を待ち受ける。千日手局で二人とも持ち時間を使い切っていたため、初手から1分将棋だ。慶田三段の秒読みの声が響き、永瀬五段が盤上に手を伸ばす。指し直し局が始まった。

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千日手成立

千日手が成立した。指し直し局は約5分の休憩を挟み、12時20分から行われる。

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第2局は千日手が成立

Seiryu201210280101_68 第2局は68手で千日手が成立しました。終局時刻は12時12分。消費時間は両者1時間0分(持ち時間1時間、チェスクロック使用)。指し直し局はこのあとすぐ行われる予定です。
(翔)

千日手の可能性濃厚

同一局面が3回。千日手の可能性が濃厚だ。控え室では関係者が慌ただしく動き回っている。

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難解な中盤

_56先手が攻め、後手がその攻めを受ける。難しい局面が続いている。ここから▲6九飛△8八馬▲6八飛△9九馬▲6八飛……と進めばさんざん懸念された千日手だ。先手は自信がなければ千日手に進めるだろうし、後手も自信が持てなければ応じることになる。ただ、▲6八飛のときに△7八歩と変化する手もある。
大盤解説会では船江五段が「この金(6七金)はいないほうがいいですよね。そうそう、皆さん『太閤将棋』って知ってますか」と話していた。

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_0これが太閤将棋。駒を落としている上手が先に指すので、いきなり△8七飛成と成れる。
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