2023年11月 4日 (土)

攻防手はあるのか

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図は7七に玉がつり出された場面。後手玉は詰めろだと見られています。

後手は王手をかけながら詰めろを外す順があるのかと検討が続いています。△8五桂と王手しただけでも逃げ場に迷います。

長岡六段は「若い人同士らしい、最終盤に技をかけあつ、難解な将棋になっています。ここからは最善手を逃すこともあると思いますが、勢いがぶつけあう将棋になりました」と話しています。

(翔)

6二をどうやって防ぐか

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後手は△6二玉と逃げる形になれば粘り強く戦える展開です。先手はどう6二を防ぐか。わかりやすいのは▲2一馬~▲7四桂ですが、馬は7七を受けている駒でもあります。長岡六段は「あとは▲4四馬と引くか、どうにかして6三に成駒を作るかですね。▲6五香は考えられます」と話しています。

吉池三段がペースを握っているようですが、まだまだ大変です。

(翔)

吉池三段が少しずつリードを奪う

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上図の▲3四飛を見て、長岡六段は「吉池三段は▲1一角成とする順は全然考えていないのですね」と感心。ここで△3三香と打つと飛車が取られるようですが、▲4三歩成△同銀▲同銀成△同金▲8四飛と進めば飛車が生還します。

長岡六段は「吉池三段が、少しずつリードを奪っているように思います」と話しています。

(翔)

飛車の横利きが通る

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図は先手が5六にいた銀を6五に出てぶつけた局面。△6五同銀は▲同桂で桂馬が働きます。

本譜は△7五歩と銀にひもをつけました。長岡六段は「この2手は先手が得をした気がします。飛車の横利きが通りましたし。▲6五銀はいい手だったのではないでしょうか」と話しています。

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吉池三段は△7五歩に▲4四歩と取り込みました。△5二銀に再び▲4三歩成として、角を成る狙いです。

(翔)

鶴林寺三ヶ院塔頭展

鶴林寺の旧宝物館では今月3日~5日(明日)と、11日、12日に「三ヶ院塔頭展」が開かれています。

期間内10時~16時、入場無料です。

今日と明日のみ、加古川青流戦関連企画として三ヶ院のうち真光院の住職が所有する棋士の色紙が展示されています。

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(鶴林寺の旧宝物館)

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(館内の展示)

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(1800年代に描かれた聖徳太子像)

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(今日と明日限定の棋士色紙コレクション。展示を見つめるのは神戸新聞に本局の観戦記を執筆する池田将之・指導棋士五段)

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(貴重な色紙がたくさん)

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(先ほど書いたばかりの長岡裕也六段の色紙)

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(木村朱里女流1級も対局前に揮毫した)

(翔)

吉池三段の引っ張り込む受け

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藤本四段が銀を7五に出た手順に対し、吉池三段は▲7六歩と打って後手の攻めを引っ張り込みました。△同銀に▲6六角と出て、次に▲7七歩と打とうという狙いです。

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藤本四段は銀を取られる前に△8六歩と動きました。

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(大盤解説には村田智弘七段、久保利明九段が登壇している。久保九段は加古川市出身で同市の観光大使を務める。淡路仁茂九段門下の弟弟子にあたる村田智七段は加古川の隣、高砂市出身)

(翔)

藤本四段が仕掛ける

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藤本四段が△7五歩と仕掛けました。立会人の長岡六段は「形勢はまだ互角だと思います。▲同歩に△同銀と攻められるのですが、▲3三飛成といつでも飛車を切れるのが通常と異なる点なので単純な攻めではいけないですね」と話しています。

このあと後手が△8六歩▲同歩△同銀▲同角△同飛と駒得することになっても、▲3三飛成△同桂に▲9五角が王手飛車取りとなる筋が残ります。

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(控室では大盤解説会の模様をモニターで確認できる。上野裕寿四段と井上慶太九段が登壇していた。許可を得て掲載しています)

(翔)

藤本四段、工夫の序盤

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後手の藤本四段は、2筋の歩の交換を許して駒組みを進めています。あえて飛車先の歩を交換させる手順には手得から速攻を狙っていることが多いですが、本局ではそうではなさそうで、どのような工夫があるのでしょうか。

立会人の長岡裕也六段は「ふたりはインターネット対局での研究会でよく指しているそうなので、吉池三段得意の右玉対策という意味かもしれません」と話しています。

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(記念撮影の合間に言葉を交わす藤本渚四段と吉池隆真三段)

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(控室にはたい焼きの差し入れ。加古川市出身の久保利明九段の同級生のお店だそうで、久保九段が自身のSNSで紹介している)

(翔)

対局開始(4)

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(14時に対局が始まった)

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(吉池隆真三段の初手は▲2六歩)

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(藤本渚四段の2手目は△3四歩)

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(藤本渚四段)

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(吉池隆真三段)

(翔)

対局開始(3)

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(木村朱里女流1級が振り駒の準備をする)

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(岡田康裕・加古川市長による振り駒)

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(と金が3枚出て、吉池三段が先手になった)

(翔)