上図▲4六歩は4四に取り込んだ歩を打ち直したもの。相手からの△4六歩を防いだ意味がありますが、上野四段は△5五銀左と銀をぶつけていきました。銀交換に進めば△3九銀の割り打ちがあります。
(カナ駒を先にぶつけたのは上野四段だった)(飛龍)
上野 裕寿(うえの ひろとし)四段。【プロフィール】2003年5月5日生まれの21歳、兵庫県加古川市出身。井上慶太九段門下。2023年、四段。棋士番号は340。棋戦優勝は1回。【本年度成績】14勝6敗(0.700)。対局数ランキング19位タイ、勝数ランキング13位タイ、勝率ランキング14位タイ。【通算成績】21勝10敗(0.677)。
(地元、加古川市出身の上野四段)(飛龍)
岡部怜央(おかべ れお)四段。【プロフィール】1999年4月8日生まれの25歳、山形県鶴岡市出身。加瀬純一七段門下。2022年、四段。棋士番号は331。【本年度成績】25勝3敗(0.893)。対局数ランキング2位、勝数ランキング1位、勝率ランキング2位、連勝ランキング1位。【通算成績】69勝35敗(0.663)。
(先に棋士になった岡部四段が上座に就く)(飛龍)
駒を並べ終わったあとは先手、後手を決める振り駒を行います。上座の自陣から歩を5枚取り、広げられた白布の上によく振って散らします。歩が多く出たら上座の対局者が先手、と金が多い場合は下座の対局者が先手です。
(記録係の佐々木女流初段が歩を5枚取る)
(振り駒は岡田市長が行う。渡された歩を手のひらの中でよく振って)
(白布に散らす)
(振り駒の結果は歩が3枚。第1局は岡部四段の先手に決まる)
(対局開始までは5分以上、静かな時間が流れた)(飛龍)
角換わりから先手腰掛け銀、後手早繰り銀に進み、14時30分には歩がぶつかりました。
(先手番らしく先に手を出した岡部四段)(飛龍)
(記録係の佐々木女流初段が先に入室。駒を磨きながら見つめる先は)
(立会人の福崎九段は場を和ます達人)
(岡田康裕加古川市長。初手観戦の方々も見守る)
(13時41分、岡部四段が先に対局室に入った)
(盤側中央、日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段も姿を見せる)
(その弟子でもある上野四段は13時44分の入室)
(駒を並べる両者)(飛龍)
岡部四段の振り歩先で、振り駒の結果は歩が3枚。第1局は岡部四段の先手に決まりました。明日午前の第2局は上野四段の先手になります。
(対局開始の一礼を交わす)
(先手は岡部怜央四段。初手▲2六歩)
(後手になった上野裕寿四段。2手目△8四歩)
(対局開始まもない両者)
(5手目▲7六歩で角換わりを志向した)(飛龍)
両対局者の昼食写真を撮る機会がありました。岡部四段は天ざるうどんに、かつめし(ご飯少)、上野四段がかつめしでした。かつめしはデミグラスソースのかかったカツがご飯にのった、加古川のソウルフードです。
(岡部四段の頼んだ天ざるうどん)
(通常サイズのかつめしは上野四段の胃袋に)(飛龍)
両者は検分を終えると、色紙と衝立にそれぞれ揮毫していきました。
(2人横に並んで揮毫)
(いずれも右手で書くため左側に揮毫する上野四段が先に書く)
(色紙に書き終えて落款を押す岡部四段)
(今度は衝立に)
(衝立にもギューッと)
(衝立には福崎九段も揮毫し、落款を押す)
(完成!)(飛龍)
11時から検分が始められました。盤駒や脇息、座布団など使用するものから照明の具合まで確認されます。
(福崎九段の軽快なトークが場を和ませる)
(人生初となる検分。平箱を盤の上に置いたままでは……)
(平箱を預けてピシッ)
(上野四段も駒の感触を確かめる)
(床の間の明かりを消してみる)
(明かりはつけたほうがよいとなった)
(ふすまを閉めた状態でも明るさを確認)
(特に問題は指摘されず、検分は10分足らずで終了した)(飛龍)