戦型は第1局に続いて、相振り飛車となりました。上図▲3七銀に代えて▲4六歩と突いていた前例があり(第15期マイナビ女子オープン五番勝負第4局▲西山-△里見戦、先手勝ち)、今回は勝っていた先手側から手を変えました。▲3七銀を見て、里見女流五冠は△3五歩と仕掛けて戦いが起きました。以下、▲同歩△4五角▲4九角△3五銀▲7五歩(下図)と進んで、里見女流五冠が手を止めています。
大盤解説会の解説を務める出口六段は、「どこかで突くと思いましたが、ここで突いたのはいい手に見えます。現局面から☖3六歩には☗4六銀と出る手もありますが、☗2八銀と引いておいて、3五の銀をさばかせないようにするのがいいと思います。両対局者の持ち味が出ていて、いい将棋ですね」とコメントを残しました。
(検討する久保九段と出口六段)
(色紙に揮毫する出口六段)
(大盤解説会の聞き手を務める室田女流二段)
(武蔵)
◆里見 香奈(さとみ かな)女流五冠(清麗・女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花)
◆ 1992年3月2日生まれ、島根県出雲市出身。森けい二九段門下。2004年、女流2級。2020年、女流六段。女流棋士番号は33。 タイトル戦登場は62回。獲得は清麗3期、女王1期、女流王座5期(クイーン王座)、女流名人12期(クイーン名人)、女流王位8期(クイーン王位)、女流王将8期(クイーン王将)、倉敷藤花12期(クイーン倉敷藤花)の計49期。
里見女流五冠の本棋戦成績は18勝2敗(0.900)。前期は順位決定トーナメントの準決勝で渡部愛女流三段に敗れて七番勝負進出とはなりませんでしたが、今期は女流順位戦A級で8勝1敗の成績を挙げ、挑戦権を獲得しました。女流棋戦の直近10局の成績は、西山白玲と同じく9勝1敗です。
(武蔵)
花束贈呈のあと、両対局者の決意表明と久保九段、出口六段による見どころや戦型予想が行われて、お開きとなりました。
(西山朋佳白玲)
「今回、このような広く趣のある対局場をご用意いただきましてありがとうございます。明日の対局が一層楽しみなところで、インターネット中継や大盤解説会などをそろえていただいた環境にお応えできるよう、頑張っていきたいと思っております」
(里見香奈女流五冠)
「西浦会長、最高の環境をご用意いただきまして、御礼申し上げます。今回、白玲戦のタイトル戦を戦うことができ、大変幸せに思っております。明日は自分の力を出しきれるように、精一杯頑張りたいと思っています。本日は本当にありがとうございました」
(両対局者の降壇後、壇上に上がったのは)
(立会人の久保利明九段)
(大盤解説会の解説を務める出口若武六段)
久保 第1局は相振り飛車でした。対局日が8月27日で、私の誕生日だったのでよく覚えています。リアルタイムで観戦していて、終盤が難しい将棋で、西山白玲が若干押していたように思ったのですが、里見女流五冠の追い込みが凄まじく、逆転という形でした。
出口 最後までどっちが勝つかわからない熱戦でした。第2局もそのようになるのではないでしょうか。
久保 ふたりの対戦は相振り飛車が多いとは思いますが、里見女流五冠が居飛車を指す可能性もありますか?
出口 里見女流五冠は、相手が振り飛車なら対抗形を指される印象もあります。ただ、本局は西山白玲が先手番です。
久保 西山白玲が先手なら初手は▲7八飛が多いイメージです。先手三間飛車の相振り飛車となるか、対抗形が予想されます。
出口 そうですね。自分はやはり相振り飛車になるのかと思っています。
久保 もし仮に相振り飛車なら、どこに飛車を振るかが難しいですが、四間飛車以外ならどれも可能性がありそうです。先ほど、検分で対局場を見させていただきました。私もタイトル戦を何度か経験していますが、本当に大きな部屋でした。明日はスケールの大きな将棋になるのではないかと期待しています。
出口 そうですね、本当に熱戦が期待できる環境だと思います。
久保 なかなかこういった環境でタイトル戦を指せる機会はないのですが、対局者もこの対局場でしっかりとした将棋を指そうという意識を持たれたのではないかと思います。
(両対局者の書き起こし=潤、戦型予想の書き起こしと撮影=武蔵)
以上で本日の中継ブログの更新を終了します。対局は明朝9時開始です。お楽しみに。
17時からの開会式では、関係者からのあいさつや、花束贈呈が行われました。
(清水市代・日本将棋連盟常務理事)
「第2期七番勝負が始まってるんですけれども、私の中では第1期の記者会見のことがまるで昨日のことのように思い出されます。第1期の終了後の記者会見で、いちばん感動していらっしゃるであろう西山白玲より先に、私が泣いてしまうという大変ハプニングがございました。本当に最初に何もないところから、西浦会長が女流棋界発展のため、また女流の棋力向上のために順位戦を作ってあげようという、うれしい言葉をいただきましたところから棋戦創設に奔走しまして、無事、第1期七番勝負が終わりましたときには、思いが込み上げてしまいました。
第1局は駒の動きが止められないほどの大熱戦になりました。それからまだ1週間しかたっていませんが、その後も全国のファンの皆様から喜びや感動のメッセージが届いております。明日も第1局にまさる熱戦になるとかと思いますので、一手一手に注目して最後までお楽しみいただければと思います」
(西浦三郎・ヒューリック株式会社代表取締役会長)
「第1期の白玲戦第5局でこのザ・ゲートホテル京都高瀬川を使おうと思っていたんですけれども、西山白玲が4連勝で勝たれましたので、今回、初めての使用となります。ここは立誠(りっせい)小学校というところの跡地なんですけど、昔、京都の小学校というのはほとんどが市民の方たちがお金を出し合って学校を作ったという形で、地元の方々の思いが非常につまっています。今回はゲートホテル全体としましても、両対局者にできるだけ気持ちよく対局していただくために、今回の白玲戦のために総支配人、総料理長、マネージャーにもきてもらいました。明日の対局がスムーズに行われるためにも、我々も最大限の努力をしたいと思います」