2024年9月21日 (土)

押さえ込み

△3六銀成

盤上は中盤戦の攻防が続いていますが、先手の福間女流五冠がうまく押さえ込んでペースを握っているようです。後手の西山白玲は桂損に加えて飛車、角の利きが止まっている点が少しつらい状況です。

図の局面で福間女流五冠の手番。控室では▲5八飛や▲9五歩が候補に挙がっています。

福間女流五冠

稲葉八段

午後のおやつ

時刻は15時を回り、両対局者におやつが用意されました。午後のおやつは、西山白玲が「自家製黒糖わらび餅」と「苺とシャインマスカットの大福」とほうじ茶。福間女流五冠がフルーツ盛り合わせ、アップルジュース、ピーチジュース、デカフェコーヒー(アイス)です。

なお、西山白玲は13時の再開時にピーチジュース、コーラ、アイスコーヒーを頼んでいます。

西山白玲のおやつ
(西山白玲のおやつ)

自家製黒糖わらび餅
(自家製黒糖わらび餅)

苺とシャインマスカットの大福
(苺とシャインマスカットの大福)

福間女流五冠のおやつ
(福間女流五冠のおやつ。飲み物が3種に増えている)

中央の厚み

▲4四歩

盤上は5筋で銀交換が行われ、後手の西山白玲だけ銀を持ち駒に替えました。しかし、先手は中央が手厚く、図の▲4四歩が歩切れを解消しながら、▲4三歩成を見せた大きな取り込み。と金ができれば桂得の先手は十分な態勢を築けそうです。

鹿
(奈良公園のシカは国の天然記念物に指定されている)

歩頭への桂跳ね

△4五桂

再開直後の△4三銀のあと、▲5五銀△5一飛▲7五角△4五桂と進みました。最後の△4五桂は▲同歩とタダで取られますが、2四の角の利きを通すことが狙い。大駒が働けば桂損でも穴熊の堅さが生きると見た強襲です。この桂跳ねでペースを握れるか、福間女流五冠の対応にも注目です。

西山白玲
(果敢に攻める西山白玲。ふふ奈良は最初の白玲を獲得した場所でもある)

対局再開

再開前
(次の手番の西山白玲。再開30分前には席に戻っていた)

西山白玲

福間女流五冠
(福間女流五冠は12時53分に入室)

再開前

稲葉八段
(13時になり、稲葉八段が「時間になりました」と告げる)

対局再開
(その声を聞き、西山白玲はすぐに△4三銀を指した)

△4三銀

対局者の昼食

昼食は、西山白玲が「ステーキ御膳:サーロイン」とほうじ茶。福間女流五冠の昼食は「煮麺(大和地鶏)と豆稲荷」で、飲み物はアップルジュースとデカフェコーヒー(ホット)を頼んでいます。

ステーキ御膳
(西山白玲の昼食)

サーロインステーキ
(サーロインステーキ)

煮麺(大和地鶏)と豆稲荷
(福間女流五冠の昼食)

煮麺(大和地鶏)
(大和地鶏の肉が入った煮麺)

昼食休憩

▲5四歩

図の53手目▲5四歩の局面で12時になり、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲福間女流五冠55分、△西山白玲2時間3分(チェスクロック使用)。対局は13時に再開します。

持久戦

△5二銀

盤上はまだ駒組みが続いており、互いに玉を堅く囲っています。特に後手の西山白玲は金銀4枚すべて守り駒にしています。一方、中央の位を取って押さえ込みを図る福間女流五冠。このあと、どこから戦いを起こすかに注目です。

福間女流五冠

ふふ奈良

第3局の対局場「ふふ奈良」は2020年にオープンしたリゾートホテル。「ふふ」はカトープレジャーグループとヒューリックが共同で全国展開している旅館ブランドで、30室すべて趣の異なるスイートになっています。

竹林を挟んで隣接している瑜伽山園地(ゆうがやまえんち)は奈良公園の南端に位置し、園地の広さは約1.3ヘクタール。明治から大正時代に財界で活躍した山口吉郎兵衛の別荘があった場所で、その一角に今回の対局場である茶室「たく庵」が建っています(たく庵の「たく」は草かんむりに澤の字)。

ふふ奈良
(宿泊施設ふふ奈良のエントランス)

ふふ奈良

竹林
(裏口から竹林を抜けると瑜伽山園地に入る)

滴翠
(飲食施設「滴翠」。2階に控室が設けられている)

茶室のたく庵
(橋を渡った奥が茶室のたく庵)


【ふふ 奈良】
奈良県奈良市高畑町1184-1
https://www.fufunara.jp/

穴熊

△9二香

盤上はその後、福間女流五冠が左に玉を上がり、対抗形の戦型になっています。図の西山白玲が指した△9二香は穴熊を目指した一手です。

稲葉八段
(控室では稲葉八段が継ぎ盤を使って検討を進めている)

西浦会長と清水女流七段
(対面に座るのは西浦会長。その様子を横で清水女流七段が見守っている)