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2021年9月

2021年9月18日 (土)

感想戦(2)

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以上で第2局の更新を終わります。
ご観戦誠にありがとうございました。

感想戦(1)

Img_8091 大盤解説会会場から対局室に戻り、感想戦が行われた。

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大盤解説会場へ

終局後、両対局者はすぐに大盤解説会場に向かいました。

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Img_8072 来場者にご挨拶をして、対局を振り返った。

―― 西山女流三冠、一局を振り返っていかがでしたか。
西山 角金交換できたところはまずまずかなと思っていたんですけど、そのあとが結構難解な展開が続いていて。形勢判断ができない局面が多かったです。最後はなんとか、という感じでした。
――どのあたりから良くなったなと思いましたか。
西山 本当に最後ですね。攻めがつながりそうかな、というところで。

―― 渡部女流三冠、一局を振り返っていかがでしたか。
渡部 角金交換でも難しいかなと思ってしまったのが、ちょっと大局観が悪かったのかもしれないんですけど。でも、途中、角と金香交換になって。難解かなと思っていたんですが。やはり中終盤にかけてミスが出てしまったのかなと思います。

阿久津 (西山女流三冠に)▲2一歩成(53手目)は△同飛と取るのが普通かと思ったんですけど、取らないんですね。
西山 ▲3四歩がちょっと気になってしまって。
阿久津 はい。そこから△2五桂。
西山 ▲3三金で。
阿久津 △6四角出て。
西山 ▲4三金で、△3七桂成に▲6五銀が結構やっかいかなと思って。
阿久津 ああ。それで振り飛車も少しよさそうかなと思っていたんですけど。
西山 そうなんですね。最後の▲6五銀に、ちょっと手が見つけられなかったので。

阿久津 渡部さんは、序盤はちょっと失敗したと思ったんじゃないですか。▲9七銀(33手目)のあたりは。
渡部 そうですね。ちょっと動きにくい形にしてしまって。
阿久津 ちょっと予定変更してる感じかなと思ったのですが。
渡部 角金交換になったところ(44手目)は、部分的に一回指したことがあったんですけど。でも、この場合はちょっとまずかったかなと思いました。

阿久津 ▲2四歩(39手目)に△同角と取る手とか、振り飛車は結構選択肢が多かったと思いますが、結構勢いよく。
西山 手が本当に広くて。基本的には攻めの手を選んでいたかな、という感じです。
阿久津 指せそうかな、という感じはあったんですか。
西山 そう思ってはいたんですけど、具体的な手が結構難しくて。形勢は難解なのかなと思い直していました。

阿久津 進んでいくうちに渡部さんもピンチになりそうでしたけど、このあたりはうまくまとめましたね。▲2六飛(41手目)~▲3五歩(45手目)とかは、なかなかというか。バランスの保ち方がうまいなと。
渡部 吹っ飛んでいたらおしまいなんですけど(笑)。ちょっと耐えつつという感じで。

阿久津 お昼以降はかなり難解で微妙な順が。
西山 そうですね。お昼休憩直後(47手目)ぐらいから自信がなくなって。▲2一歩成(53手目)を見落としてしまっていて。▲2四飛をずっと読んでいたので。あの辺りは自信がなかったです。

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第3局への抱負【西山女流三冠】
本日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます。第3局まで少し時間が空くので、しっかり準備して臨みたいと思います。

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第3局への抱負【渡部女流三段】
本日はお足元の悪い中お越しいただきまして、誠にありがとうございました。結果としては2連敗スタートとなってしまったんですけど、今日は自分の力は出し切ったかなと思うので、次に向けてまた準備をして、内容のいい将棋をみなさまにお見せできるように頑張りたいと思います。

西山女流三冠が2連勝

20210918106七番勝負第2局は106手で西山女流三冠が制し、開幕から2連勝とリードしました。終局時刻は16時57分。消費時間は、▲渡部4時間0分、△西山2時間47分。第3局は10月2日(土)、鹿児島県指宿市「指宿 白水館」で行われます。

後手優勢

2021091880時刻は16時を回りました。図の△7五歩が厳しい攻めで「先手が苦しいと思います」と清水女流六段。「▲6五桂(63手目)が少し指しすぎだったかもしれないですね。そのあと、少しずつ悪くなってしまった感じです」と中川八段。図の局面で渡部女流三段の残り時間は27分、西山女流三冠は1時間34分残しています。

後手が指しやすい

2021091869時刻は15時半を回りました。図は桂交換後の△7六桂に▲7七銀と引いた局面です。控室でも当初はこの銀引きを有力と見ていました。金を取らせる代わりに嫌みな桂を消して局面をスッキリさせようという狙いです。しかし、図から△6八桂成▲同金△3四角(次図)と進んでみると……。

2021091872先手はここで▲2二飛成とするのが自然ですが、「この形はあとで△3二金と弾かれてしまうのが痛い」と中川八段。先手は金を取らせた弊害が出ており、後手が指しやすくなったと見られています。

Img_7968 控室に用意された金沢の銘菓。

午後のおやつ

15時を回り、対局者の控室におやつが運ばれました。注文は渡部女流三段が「マリトッツォモンブラン」と「烏龍茶」、西山女流三冠は午前と同じで「フルーツ盛り」と「紅茶」です。

Img_8023 マリトッツォモンブラン。

Img_8020 フルーツ盛。

※撮影用に注文したもの

ひがし茶屋街(2)

Img_7913趣のある茶屋街の小道。

Img_7918 茶屋街に隣接する東山菅原神社。

Img_7927 金沢といえば金箔の街。ひがし茶屋街にも金箔工芸店や金箔体験施設などが多数ある。こちらは一刀彫の鷲に金箔を貼ったもの。下の虎はプラチナ箔が使われている。

Img_7931とても効果の高そうな金箔の招き猫。これさえあれば……。

Img_7930 大判小判がザックザク。

大盤解説会始まる

14時を回り、現地大盤解説会が始まりました。

Img_8002 会場は十分な間隔を空けて座席が設けられている。

Img_8008 お客様の前に出るのは久しぶりなので緊張しますね、と阿久津八段。

Img_8016 飯野女流初段は余裕の笑み。

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激戦の予感

2021091854図は▲2一歩成の成り捨てに西山女流三冠が27分の長考で△5一飛と回ったところ。控室では△2一同飛を予想しており、意外な一手でした。
「長考していたので△2一同飛は何か嫌な手が見えたのでしょうね。第一感は▲3四歩(△同銀なら▲3二金)ですが、△2五桂と跳ねて桂交換後の△7六桂を見せれば後手が指せそうかと思ったのですが。いずれにしろ▲2一歩成が入ったのは先手にとって大きいです。▲2四飛と走るか、▲1一とと香を取っておくのも有力で、これは激戦になりそうな予感がします」(阿久津八段)

Img_7826 長考で飛車を回った西山女流三冠。