開幕式(1)
17時から行われた開幕式の模様です。
■主催者挨拶
■両対局者による明日への意気込み
■立会人による明日の展望
「ようやくタイトル戦になるということで、楽しみにしております。今回、日本将棋連盟さんと白玲戦女流順位戦ということで開催させていただくということでございます。3年前、清水(市代女流七段)さんから、ここで棋聖戦の就位式がございましたときに、女流は6つしかタイトルがない、男性は8つあると、ぜひ主催をしてほしいといわれまして、わかりましたとお答えしたと思います。
3年前に清麗戦を主催させていただいて、普通はトーナメント戦は1度負けると終わりなところを、2回負けるまで戦えるようなルールでやってもらいました。1局でも対局を増やそうということですね。もう1つ(タイトル戦を)何とかしないといけないと思い、清麗戦は大成建設さんにお願いして、白玲戦順位戦とスタートさせていただきました。リーグ戦ですので、8回から9回、対局をしなければいけないと、清麗戦は最低でも、2局ありますし、ほかの棋戦もあります。それなりの対局数になり、清水さんとのお約束が果たせてよかったなと思っております。
私は会社でも同じことをするのは作業だと、やはり新しいことをやるのが仕事なんだと、よくいっています。そういう意味でトーナメント方式の棋戦を増やしても、そんなに変わらないのかなと。支援のお金は少し増えますが、リーグ戦でやって対局数が増えていくと。あとは女流棋戦では初の七番勝負ということで、2日制も考えましたが、ママさん棋士もおりますので、1日制の対局で。
少しでも新しいことをやっていきたいと思ってスタートしました。このあと金沢、鹿児島、奈良と転戦していきますが、おふたりには、いい棋譜を残していただきたいと。『将棋世界』で1年間のいい対局が順位をつけられていますが、ぜひ白玲戦の対局が入ればいいなぁと思います。2か月ちょっとのシリーズになりますので、対局者には健康に気をつけていただいて、いい棋譜を残すよう頑張っていただければと思います」
「本日は第1期白玲戦七番勝負第1局の開幕式。コロナ禍ということで、十分に配慮した中、開催できますことを、大変うれしく思っております。女流棋界、将棋界にとりましても、歴史的な、大きなスタートということになったと思います。棋戦を創設していただきました、ヒューリック株式会社さま、西浦会長、関係各位には厚く御礼申しあげたいと思います。女流棋界の最高棋戦がこれから始まるということですけども、初代白玲の座を懸けまして、昨年から女流順位戦と形でスタートしました。女流棋士が多くの対局を重ねました。さまざまな戦いがございまして、この2人が七番勝負を戦うと。白玲戦は、弊社団の清水常務理事によりますと、令和の王者、真っ白なページに歴史を刻むと。真っ白なページの「白」、令和の王者の「令と「王」で「玲」の名前ができたと。本当にふさわしい名前ですね。64人の女流棋士が戦いまして、この1年でかなりレベルが上がったなと感じております。棋譜を拝見することがありますが、女流棋士にとって意識を高く持っていくことができると思います。
初代白玲を懸けて戦う、西山朋佳女流三冠と渡部愛女流三段は、初対局ということで非常にふさわしい2人が残ったのかなと思います。西山さんは現在、タイトルを3つ保持していて女流棋界のトップを走り続けている存在。そうはいいましても西山さんも女流順位戦では土がつきまして、どうなるのかという心配はありましたが、最後は見事に勝ち抜かれた印象です。渡部さんは過去のタイトル獲得経験もあります実力者で、今期も女流順位戦をしっかり戦い抜きまして。順位決定トーナメントの準決勝では、タイトル争いの本命の1人といわれていた里見香奈女流四冠を見事な内容で、終盤2転3転する中で競り勝ちまして、実力の一端を見せました。ここ一番の勝負強さはさすがだなと感じました。女流棋界にとりまして、初の七番勝負ということで、どういう戦いを見せていただけるのか、今から楽しみでなりません。両対局者におきましては、初めての経験ということもあるかもしれません。非常に長丁場になりますが、体調を整えていただきながら、自分の将棋を指して、ファンの方に楽しんでもらえる七番勝負にしていただきたいと思います」
(書き起こし=吟)