« 2021年7月 | メイン | 2021年10月 »
終局後、両対局者はすぐに大盤解説会場に向かいました。
―― 西山女流三冠、一局を振り返っていかがでしたか。
西山 角金交換できたところはまずまずかなと思っていたんですけど、そのあとが結構難解な展開が続いていて。形勢判断ができない局面が多かったです。最後はなんとか、という感じでした。
――どのあたりから良くなったなと思いましたか。
西山 本当に最後ですね。攻めがつながりそうかな、というところで。
―― 渡部女流三冠、一局を振り返っていかがでしたか。
渡部 角金交換でも難しいかなと思ってしまったのが、ちょっと大局観が悪かったのかもしれないんですけど。でも、途中、角と金香交換になって。難解かなと思っていたんですが。やはり中終盤にかけてミスが出てしまったのかなと思います。
阿久津 (西山女流三冠に)▲2一歩成(53手目)は△同飛と取るのが普通かと思ったんですけど、取らないんですね。
西山 ▲3四歩がちょっと気になってしまって。
阿久津 はい。そこから△2五桂。
西山 ▲3三金で。
阿久津 △6四角出て。
西山 ▲4三金で、△3七桂成に▲6五銀が結構やっかいかなと思って。
阿久津 ああ。それで振り飛車も少しよさそうかなと思っていたんですけど。
西山 そうなんですね。最後の▲6五銀に、ちょっと手が見つけられなかったので。
阿久津 渡部さんは、序盤はちょっと失敗したと思ったんじゃないですか。▲9七銀(33手目)のあたりは。
渡部 そうですね。ちょっと動きにくい形にしてしまって。
阿久津 ちょっと予定変更してる感じかなと思ったのですが。
渡部 角金交換になったところ(44手目)は、部分的に一回指したことがあったんですけど。でも、この場合はちょっとまずかったかなと思いました。
阿久津 ▲2四歩(39手目)に△同角と取る手とか、振り飛車は結構選択肢が多かったと思いますが、結構勢いよく。
西山 手が本当に広くて。基本的には攻めの手を選んでいたかな、という感じです。
阿久津 指せそうかな、という感じはあったんですか。
西山 そう思ってはいたんですけど、具体的な手が結構難しくて。形勢は難解なのかなと思い直していました。
阿久津 進んでいくうちに渡部さんもピンチになりそうでしたけど、このあたりはうまくまとめましたね。▲2六飛(41手目)~▲3五歩(45手目)とかは、なかなかというか。バランスの保ち方がうまいなと。
渡部 吹っ飛んでいたらおしまいなんですけど(笑)。ちょっと耐えつつという感じで。
阿久津 お昼以降はかなり難解で微妙な順が。
西山 そうですね。お昼休憩直後(47手目)ぐらいから自信がなくなって。▲2一歩成(53手目)を見落としてしまっていて。▲2四飛をずっと読んでいたので。あの辺りは自信がなかったです。
第3局への抱負【西山女流三冠】
本日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます。第3局まで少し時間が空くので、しっかり準備して臨みたいと思います。
第3局への抱負【渡部女流三段】
本日はお足元の悪い中お越しいただきまして、誠にありがとうございました。結果としては2連敗スタートとなってしまったんですけど、今日は自分の力は出し切ったかなと思うので、次に向けてまた準備をして、内容のいい将棋をみなさまにお見せできるように頑張りたいと思います。
七番勝負第2局は106手で西山女流三冠が制し、開幕から2連勝とリードしました。終局時刻は16時57分。消費時間は、▲渡部4時間0分、△西山2時間47分。第3局は10月2日(土)、鹿児島県指宿市「指宿 白水館」で行われます。
時刻は16時を回りました。図の△7五歩が厳しい攻めで「先手が苦しいと思います」と清水女流六段。「▲6五桂(63手目)が少し指しすぎだったかもしれないですね。そのあと、少しずつ悪くなってしまった感じです」と中川八段。図の局面で渡部女流三段の残り時間は27分、西山女流三冠は1時間34分残しています。