本局の関係棋士には、石田和雄九段門下の棋士がたくさんいます。石田九段は柏市に道場(柏将棋センター)を構え、日本将棋連盟東葛支部(東葛は柏市を含む千葉県北西部の地域)の師範も務めています。同支部は全国でも上位の会員数を誇ります。石田九段は愛知県岡崎市の出身ですが、柏市は第二の地元ともいうべき街です。
石田和雄九段。写真は2017年5月26日に撮影。この日は群馬県富岡市「富岡製糸場」で第3期叡王戦七番勝負第4局、高見泰地六段(当時)-金井恒太六段戦が行われていました。石田九段は現地で弟子を応援していました。高見六段は期待に応え、4連勝で初タイトルを獲得しました。
佐々木勇気八段はスイスのジュネーヴ生まれ、埼玉県三郷市育ち。三郷駅から柏駅までは、乗り継ぎも含めて20分ほどの距離です。佐々木八段は幼稚園の頃から柏将棋センターに通っていました。竜王戦1組、順位戦A級に所属するトップ棋士です。
三枚堂達也七段は千葉県浦安市出身。ここで紹介する棋士では唯一、内藤國雄九段門下ですが、小学1年生の頃から柏将棋センターに通っていました。石田九段が手塩にかけて育てた棋士の一人です。当時は流山市立八木北小学校(柏の葉中心部まで徒歩30分程度)に通っていたそうです。竜王戦は3組、順位戦はC級1組。現在5連勝中。
【三枚堂達也 わが道をいく|NHK出版】
https://mag.nhk-book.co.jp/article/28189
勝又清和七段は、石田門下の棋士では長兄にあたります。神奈川県座間市出身。かつては東京都町田市に住んでいました。町田市は神奈川県横浜市に隣接しています。高見七段は子ども大会で勝又七段と出会い、勝又七段の推薦で入門した経緯があります。勝又七段は2021年の記事で佐々木八段や高見七段の子ども時代のことを書いています。
【弟弟子に送るエール】
https://bunshun.jp/articles/-/44631
高見泰地七段は、神奈川県横浜市出身。前述したように、第3期で叡王を獲得し、石田一門では初めてタイトルホルダーになりました。順位戦はB級1組に所属。今期の竜王戦は2組で準優勝を果たし、決勝トーナメントに進出。来期の1組以上が確定しています。
門倉啓太六段は東京都豊島区出身。前期の順位戦C級1組では、後半戦まで昇級争いに加わりました。また、石田九段の弟子のなかで、最も多くの奨励会員の弟子を持つのが門倉六段です。三段リーグに在籍している奨励会員もいます。一門の系譜がこの先も続くことが期待されます。
加藤結李愛女流二段は宮城県仙台市出身。2018年、一門で初めて女流棋士になりました。棋戦優勝や挑戦者決定戦進出の実績があります。ほかには渡辺大夢六段(東京都江東区)と鎌田美礼女流2級(茨城県取手市=柏市の隣接市)も石田門下です。