(吉池隆真三段)
【吉池隆真三段 局後インタビュー】
--得意の右玉を採用した序盤はいかがでしたか。
「右玉には組めましたが穴熊になって、こちらが手待ちになってそんなに自信はなかったです」
--中盤から終盤にかけて積極的に攻めていく形になりました。
「終盤は難しいところも多かったと思いますが、難しい局面で最善手を指せていなかったなという気持ちはあります」
--これで準優勝です。2局、終えられた気持ちはいかがですか。
「2局とも難しい局面での最善が指せなかったので、そこがプロとの差なのかなと思っています」
--これから棋士を目指していくうえで、今回を踏まえた思いをお聞かせください。
「今期の加古川青流戦ではたくさんの棋士の方とさせて勉強になることが多かったので、これらを生かしてこれからの三段リーグを抜けたいと思います」
(報道陣の依頼で、マスクを外して写真撮影)
(感想戦は後ほど。一旦駒を片づける)
(このあと、大盤解説会場に移動)
(翔)
(終局直後)
(加古川青流戦史上最年少の優勝を果たした藤本渚四段)
【藤本渚四段 局後インタビュー】
--本局は雁木対右玉の戦いとなりました。序盤はどう見ていましたか。
「吉池さんは右玉が得意で、このような形になるような気がしていました。穴熊への組み換えがうまくいくかという戦いだと思っていたので、序盤はそれなりに成功していると思っていました」
--終盤に吉池さんが果敢に攻める展開になりました。
「こちらが駒得になったのと、玉の堅さが違うのを生かして戦おうと思っていました」
--どのあたりで勝ちを意識しましたか。
「△7七歩(126手目)と打たれたところで、△7七歩は勝ちだと読み切っていたので、そのあたりで勝ちを意識しました」
--これで2連勝で優勝です。お気持ちはいかがですか。
「先日新人王戦で準優勝だったので、その悔しい気持ちを晴らせた気がします」
--井上慶太九段門下の藤本四段が、(井上九段が普及に努める加古川市主催の)加古川青流戦で優勝ということについてはいかがでしょうか。プレッシャーはありましたか。
「自分も井上先生の弟子で加古川にはすごく縁があるので、市の名前がついた加古川青流戦で優勝できたのはうれしいです。プレッシャーはあったのかもしれませんが、感じないようにはしていました」
--加古川青流戦での最年少優勝記録を更新されました。(従来の記録は第3回の佐々木勇気四段、19歳)
「年齢に関してはそこまで考えていなかったです」
--今後の抱負をお聞かせください。
「加古川青流戦でまた優勝したいという気持ちもありますが、加古川青流戦は参加資格が三段と四段なので、もう1回出るよりは(五段に昇段して)これが最後になるように活躍したいです」
(うつむいて藤本四段の声を聞く吉池隆真三段)
(盤上の駒がゆがんでいる)
(翔)
第13期加古川青流戦決勝三番勝負第2局は、143手で藤本四段が勝ちました。終局時刻は12時38分。消費時間は▲藤本四段1時間0分、△吉池三段1時間0分(チェスクロック使用)。
この結果、三番勝負は藤本四段の2連勝で優勝が決まりました。
(夏芽)
7七に歩が入っていますが、藤本四段はかまわず▲5七香と打ちました。△7八歩成には▲5五香が詰めろで勝ちと見ているようです。長岡六段は先手勝勢と見ています。藤本四段の加古川青流戦史上最年少優勝が近づいています。
(翔)
端の攻防が続いています。図の▲9八歩は、8八の駒が金であるのを生かした受け重視の手。
吉池三段は△9七歩とこじ開けていきます。
立会人の長岡六段は「後手は歩が減っているのが気になりますね。歩がないと将来的に△5二歩と打てなくなったり、▲8六香の飛車取りが受けにくくなったりします。ちょっと後手の攻めが息切れしかかっている気がします」と話しています。
(翔)
△7四香と打った局面、▲8六角は△8五歩なら▲5三角成と角を切って後手の飛車先が重くなりますが、△7六香が嫌味だったようです。
本譜は単に▲5三角成と切り、△同金に▲5五香と角道を止めました。
長岡六段は「ずっと藤本四段がやや指せると思っていたのですが、後手玉がまだ堅いので大変な気がしてきました」と話しています。
(翔)
▲9五歩から藤本四段は一分将棋に入りました。吉池三段も次の手を考慮中に一分将棋に入っています。
(翔)
図は△6五歩の銀取りに▲7七銀と引いた局面。香得の先手がやや指せるとは見られていますが、受けに回っているので、後手が一気に穴熊を攻略する展開になることも考えられます。
ここから吉池三段は△9五歩と端を攻めていきました。
(翔)