« 瑜伽山園地 | メイン | 両者、残り時間が1時間を切る »

2026年9月12日 (土)

100番指し(1)

本局を戦う両者は、今年1月末日に指されたユニバーサル杯第52期女流名人戦五番勝負第2局で「100番指し」を達成しました。女流棋界では、清水女流七段-中井広恵女流六段戦でしか達成されていない大記録です。100番指しについて、清水女流七段にインタビューしました。


 同じ相手との積み重ねに対して感慨深いものはありましたが、100局目を迎えてもそれは通過点でした。ただ、振り返ってみると、一局一局に思い出や様々な感情が込められています。自分だけでは絶対に達成できる記録ではなく、相手がいて、さらに番勝負でないと指す機会もなかなか増えません。そういう意味では、互いの努力の結果が数字に現れたのだと感じます。
100局近く指していると、家族と過ごす時間よりもタイトル戦で一緒にいる時間のほうが長くなり、ふたりだけで感じられる独特の雰囲気や感覚が培われていきます。相手の機微を感じ、何を考えているかが、自ずと伝わってくることがあります。同じ時間を過ごし、同じ高みを目指していいものを作り上げていこうという思いが互いに伝わっていたのではないでしょうか。
 どちらも研究を重ねて工夫して臨むため、同じ指し手であっても背景にある感情や思いは全く異なります。自分が用意して指した研究に対し、それを上回る対応をされたときはショックもありますが、同時に「また頑張らなければ」といううれしさや刺激もありました。昔はタイトル数がいまよりも少なかった時代であり、その中で同じ相手と数多く戦えたのは非常にありがたく、貴重な経験です。現在、本局を戦う彼女たちが活躍し、大きなタイトル戦で100番を超えた対局を重ねていることで、過去のわたしたちの戦いにも改めて注目していただけることをうれしく思っています。
 中井女流六段が、現在もトップで活躍される姿に大きな敬意を抱いています。先日の女流順位戦B級リーグで久々に対局したときは、対局までがとても楽しみでありましたし、大きな充実感を得られるものでした。さらに対局数を重ねていくためには、自分がもっと努力して追いつかなければならないと感じますので、いいモチベーションになっています。

A7c00441