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両対局者退出後、立会人の広瀬章人九段と大盤解説会解説の大石直嗣七段によって見どころが語られ、締めへと向かいました。以下に抜粋します。
(広瀬章人九段。大石七段とは仲がよいと明かした)
広瀬 大石さんは昨年に続いて白水館で大盤解説をされますが、どうですか、こちらの印象は。
大石 心地よくて、砂蒸しの露天風呂に今回もつからせていただこうかと。その前にしっかりと仕事を(笑)。対局者の様子はいかがでしたか。
(真面目な語り口ながら関西人らしいユーモアも交える大石直嗣七段)
広瀬 特に福間さんのほうは笑顔が多く見られて、いい意味でリラックスしているのかなあと。出産を経て育児の真っ最中かと思います。大変なところもあると思うのですが、対局と普段のところ、オン・オフを相当しっかりして陰ながら努力していないと今回のように挑戦者になったり、ほかの棋戦で活躍したりするのは難しいと思いますので、かなり努力しているのだろうなと想像できますね。
大石 開幕局を見て、西山さんが新しい将棋にチャレンジしている印象がございまして、従来は玉を固めて積極的な攻めを繰り広げるのが西山白玲の将棋と思っていました。今回はバランス型の将棋を採り入れて、第1局を見ますと西山さんにとって勝利を挙げて、内容もすごくよかったのではないかなと思っています。
(両者による見どころ解説)
広瀬 では、ズバリ戦型予想は?
大石 福間女流六冠の先手番ですので、初手のトレードマーク、▲5六歩からスタートするのではないかなと。
広瀬 振り飛車党同士。相振り飛車になるかどうか。
大石 相振り飛車になるか、福間女流六冠のほうが居飛車の形に構えるのか。▲5六歩スタートの飛車を振って玉を左のほうにいくスタイルですね。
広瀬 また飛車が(2八に)戻ってくる。
大石 そうですね、飛車がまた戻ってくるような将棋が見られるのか。そのあたりの序盤の駆け引きがひとつ見どころのように感じています。
広瀬 二人の対戦、決まった型があるようなないような感じです。出だしから全然、見たことのない将棋になるのも多いのも、見ている側としては楽しめるというか、力比べしていて。長手数の将棋で、読みの精度が高いほうが局面を有利に進めて勝利に近づくのではないかと思っています。
(下竹原利彦・指宿白水館代表取締役社長が締めた。書き起こし:夏芽)
「先日台風が発生し、今日も飛行機は大丈夫かな? と思いましたが、皆さまをお迎えすることができてうれしく思っております。西山白玲と福間女流六冠のおふたりが入ってきて、いつもと違う緊張感がありました。明日は白熱した戦いが見られるのでは、と非常に期待しております」
以上で本日のブログ更新を終了します。明日の対局をお楽しみに。
両対局者は決意を表明し、開会式会場をあとにしました。
(西山朋佳白玲)
「今回は天候に心配がありましたが、こうして伺うことができてうれしく思っております。いつも指宿白水館さまに来させていただきますと、とても気持ちがよくて、景観であったり、食べ物であったり、砂むし温泉であったりと、本当に緊張する日々ではあるのですが、そういった中でリラックスさせていただく機会だと楽しみしております。明日は第2局でまだまだ序盤戦ですけれども、変わらず自分の将棋を指していけるように頑張って参りたいと思います」
(福間香奈女流六冠)
「『指す宿』の指宿に対局者として来ることができて、大変うれしく思っております。空港からバスで伺ったですが、昨年に引き続き、県道では皆さまに歓迎していただき、すごくうれしく思いました。明日、第2局がありますけれども、自分の力をすべて発揮できるように、力を尽くして頑張っていきたいと思います」
(書き起こし:夏芽)
(西浦三郎・ヒューリック株式会社代表取締役会長)
「白玲戦第5期の第2局でございますけれども、私の感覚としては『新・第1期』という感じがしておりまして、棋士のほうのヒューリック杯棋聖戦(産経新聞社主催)と、この白玲戦と、賞金を増やそうということで、白玲戦は優勝賞金4000万円、副賞として1000万円の実質5000万円という形にしております。もうひとつは、前会長の羽生(善治九段)さんから、白玲5期獲得でフリークラスの棋士に昇格できると。そういう意味で、いままでとまったく違う『新・第1期』と感じております。七番勝負で長いシリーズですが、おふたりとも健康にだけは留意されて、いい棋譜を残していただければと思います」
(片上大輔・日本将棋連盟常務理事)
「私は数年前にプライベートで、こちらに訪れたことがありまして、当時『永世七冠誕生の碑』ができて少し経った頃だったかと思います。聖地巡礼のような気持ちで足を運びまして、素晴らしいところだなと思いました。このおふたりの対局は、近いうちに100局に達することは間違いなくて、お互いのことを知り尽くしたうえで戦っているところがあると思います」
(打越明司・指宿市長)
「私は、この白玲戦のあいさつは4回目ですが、4回とも同じ組み合わせで、それぞれの初手にも立ち会っております。白玲戦は女流のタイトルの中では最も重い、ビッグなタイトルであり、それがいつも指宿で開催されることはうれしいと思っています」
(書き起こし:夏芽)