終局直後
【西山新白玲の談話】
――本局の駒組みの狙いはいかがでしたか。
「やってみたい形の一つではありました。手厚さもあるので、ある戦型かなと思っていました」
――午前中までの進行の手応えはいかがでしたか。
「こちらから▲5六歩(55手目)と動いたのですけれど。難しいかなと思っていました」
――午後に入りまして、▲9五角(67手目)がいい手だったのかなと評判でした。そのあたりはいかがでしたか。
「もしかしたらある筋かなと思っていたのですが。(後手の)5四銀が浮いているので、手になっていてもおかしくないかなと思っていました」
――その後は攻めがつながる形になりましたが、形勢判断はいかがだったでしょうか。
「見えていない受けが飛んできていて、難しいかなと思っていたところで、▲2六歩(81手目)が見えたので、少し残しているのかなと思っていました」
―― 一局を総括して、どのような将棋でしたか。
「こちらから動いていって、▲8二歩(63手目)と桂頭に打ったあたりが、細いながらも手になっているかもしれないなと思っていました」
――これで4勝3敗で白玲のタイトル奪取となりました。シリーズを振り返っての感想を聞かせてください。
「タイトル戦が進行していく中で、その時々の課題だったりを考えながら指していたところもあって。前期は序盤でダメにするような将棋も多かったので。今期は、その点においては、少しマシだったのかなという感じがしています」
――これで女流四冠に復帰されました。そのことについて感想は。
「まだまだ実力不足なところも多いと思っているので。そういったところを克服していけるように頑張りたいと思っています」
【里見前白玲の談話】
――序盤、△5五歩(28手目)から△5四銀(32手目)が思い切った構想に見えましたが、その辺りは予定していた手順でしたか。
「ある形かなと思っていました」
――昼休前までの手応えはいかがでしたか。
「比較的ゆっくりした展開になったのですが、少し、何か、昼休前までに組み立てを考えなければいけなかったかなと思いました」
――△2五桂(56手目)と跳ねていった辺りの形勢判断はいかがでしたか。
「△2五同飛(58手目)と取った形が、(敵陣に)近くて攻めづらい形になるので。できれば他の順を選びたかったのですけど。ちょっと見えなくて。少し自信がないのかなと思っていました」
――▲9五角(67手目)と出られたところで長考になりました。この辺りは、どのようなことを考えておられたのでしょうか。
「一見、受けがあるのかなと思っていたのですけど。こちらの大駒が一瞬働きが凄く弱いので。ちょっと思わしい受けが見えなかったです」
――負けにしたなと思ったのはどの辺りでしたか。
「▲9五角にいい受けが見えなかったので、だいぶ苦しくしてしまったかなと」
――今期のシリーズを通して印象を聞かせてください。
「いい将棋を落としてしまう対局がありましたし、一方的な内容もあったので。それがいまの実力だと思うので、見つめ直すいい機会になったかなと思います」