ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦中継ブログ

１図から▲３五歩△３六歩▲同銀△５七歩成▲同金右△５六歩▲６七金寄△９五馬▲９六歩△５一馬（２図）と進みました。「馬は自陣に」という格言はありますが、控室では「里見さんが決め損なっているのでは」といった声も聞かれます。とはいえ後手勝勢に変わりはないようです。

勝勢を築いた里見白玲は慌てず騒がずといった落ち着いた指し回しを見せています。１図から△７二玉▲７五歩△３五歩（２図）と進めました。不安定な玉形を立て直すと３筋に拠点を築いたのです。受けに回る方針が徹底しています。

辛抱の▲４七銀に里見白玲は△７七角（１図）と打ち込みました。以下▲１六歩△２四角▲２三金△３五歩▲６六歩△６一玉▲３五歩△９九角成（２図）と進んでいます。
里見白玲は△７七角～△９九角成と香を取りにいきました。△２一香と打って先手の攻めを切らす方針のようです。▲金△角香の交換で、形勢は後手がかなりいいと見られています。

里見白玲は予想通り、△５二金（１図）と上がりました。次に△５五歩が狙いです。

控室の継ぎ盤には▲１六歩△２四角▲４四角△同飛▲２三金が並んでいます。以下△３五歩に▲４五銀が妙手です。△４五同飛なら▲２四金ですし、△４五同桂は▲２四金（Ａ図）で、△同飛に▲３三角が王手飛車になる仕組みです。Ａ図から△６二玉として、以下▲２五金△５五角▲３五金△４二飛▲４六歩（Ｂ図）でどうかといわれていました。

実戦は１図から▲４四角△同飛▲４六歩△５五歩▲４七銀（２図）と進んでいます。先手が辛抱する展開のようです。

（辛抱してチャンスを待ちたい西山女流三冠）

１図から▲７七桂△６六歩▲６五桂△６四銀左▲６六角（２図）まで進んでいます。振り飛車は左桂がさばければ成功といわれますが、里見白玲も金銀を中央に集めて先手のさばきを封じようとしています。

２図は次に△５二金と上がって後手陣を手厚くする手が有力と見られています。先手が攻めをつなげるか、後手が受けきるか、際どい中盤戦が展開されています。

（羽生九段の検討を西浦会長と斎田晴子女流五段、相川春香女流初段が見守る。他には野原未蘭女流初段や内山あや女流初段、宮澤紗希女流２級の姿も）

15時、午後のおやつは西山女流三冠が信州ももジュース、ホットコーヒー、ホットティー。里見白玲がかぼちゃのプリン、フルーツ盛り合わせ、信州りんごジュース、アイスミルクティーです。

（西山女流三冠が注文したおやつ）

（里見白玲が注文したおやつ）

（フルーツ盛り合わせ。メロン、パイナップル、オレンジ）

（かぼちゃのプリン）

午前中に対局場周辺を散策しました。

（対局場の「グランドニッコー東京 台場」の外観）

（ゆりかもめ台場駅から直結の好立地）

（入口にはタイトル戦開催を告知する看板が掲げられている）

（遊歩道を挟んで隣にはフジテレビ本社ビルがそびえ立つ。『白玲～女流棋士No.1決定戦～』はＢＳフジで放送中だ）

（自由の女神像とレインボーブリッジ。大きさはニューヨークの１／７ほどである）

（台場のシンボルのひとつである巨大ガンダム像）

（ユニコーンガンダム像。時間によってライトが光ったり顔が変形したりする）

（背面もダイナミックで細やかな作りになっている）

現在、図の局面を迎えています。里見白玲が△４四歩と打った場面です。▲４四同歩には△同角と角をぶつけて後手が好調ですが、角が狭くなっているため危険な意味があります。▲１六歩と突いて△４五歩に▲同銀と進むと、後手は角を助けにくい状況といえるでしょうか。ここ数手で形勢が開く可能性がありそうです。

（角の処置を巡る展開になった里見白玲）

14時、現地大盤解説会が始まりました（すでに定員に達しています）。

（大型スクリーンを使って現局面を解説する）

（解説は中村太地八段が担当する）

（上田初美女流四段が聞き手を務める）

昼食休憩再開後、西山は１図から▲６三歩成△同銀▲６八飛と進めました。しかし、△６四歩（２図）と打たれてみると後手の２枚銀が手厚いかもしれません。１図では▲４五銀と出る手があったかどうか。△４五同桂には▲４三歩成が飛車取りになります。

実戦は２図から▲４三歩成△同金▲４五歩（３図）と進みました。後手に△４四角とぶつけられないようにしたものでしょう。じりじりとした中盤戦が続きます。