呼び込む受けの成否は
西山白玲が▲6六飛(73手目)と玉頭に照準を定めたところで里見女流五冠の手がぴたりと止まりました。後手陣には西山白玲による揺さぶりの痕跡が残り、ジャブで体勢が崩れたところにストレートが当たった印象です。深浦九段は「順調だと思っていたらいきなり受けが難しいから愕然としますよね」と話していました。
里見女流五冠は約40分の長考で△7四歩と打ちました。数が足りていないのでハッとしますが、▲7四同銀なら飛車の利きが、▲6四銀なら角の利きが止まります。ただ、攻め駒を呼び込む受けなのでそのまま押し切られる恐れもあります。
実戦、西山白玲の選択はなんと角で飛び込む▲7四同角! 控室でモニターを見ていた加藤桃女流三段は「迫力満点!」と驚きの声を上げました。