指宿白水館の敷地内にある「薩摩伝承館」は2008年に開館。薩摩の美術品を中心に展示しています。展示室のほか、館内にはレストランやショップがあり、本局の現地大盤解説会も行われています。
【薩摩伝承館 公式サイト】
http://www.satsuma-denshokan.com/
(中盤戦の要所を迎えている。控室の谷川九段に、ここまでの進行を振り返っていただいた)
「39手目▲5六飛のところは長い戦いになることも予想されました。例えば以下△2四歩~△2三銀といった手順ですね」
「40手目△2四角~42手目△4五歩が後手の趣向です。2四角型のままゆっくりしていると▲2六歩が味のよい突き出しになるため、動いていきました。ただ先手は直前の▲7六飛で、この攻めを誘っていた可能性もありますね」
「52手目△2四馬(7九地点から引いた)のところは、代えて△8九馬と桂を取ることも考えられました。ただ馬の働きが弱くなるため、先手の攻めを支えきれないと見たのでしょうか。しかし本譜の馬引きでは後手が少しつらいようにも思います」
「56手目△4六歩には以下▲同銀△7三桂にどうするか(飛車成りで取ると△4六馬が王手竜取り)。(1)▲4七金だと△5五桂の筋、(2)▲3七銀引だと△2五桂の筋がいずれ生じそうです。現局面は先手が長期戦に持ち込みたいところで、そうすると▲銀△桂交換であることや、持ち歩の多さが生きてきます」
対局場である「指宿白水館」は、鹿児島県指宿市の東端、鹿児島湾沿いに構える旅館です。敷地内には見事な大庭園があります。1947年、鹿児島市内に「鹿児島白水館」として創業。現在の場所には1960年に移転し、名は「指宿白水館」となりました。
過去にも将棋タイトル戦が複数回行われています。2017年に第30期竜王戦七番勝負第5局の対局地となった際は、羽生善治棋聖(肩書は当時)が竜王を奪取して永世七冠王に輝いたことで有名です。
(こういった和風が通路等、至るところで迎えてくれる)
【指宿温泉 旅館 砂むし温泉 指宿白水館】
http://www.hakusuikan.co.jp/