
後手は角桂の駒損でありながら、形勢は「後手持ち」の声が強まってきました。理由は2つあります。ひとつは、玉の堅さです。1筋を詰めて端が広がったことで、玉は安定感を増しました。もうひとつは、駒の効率です。先手の7七の角は動けず、1八の角や成銀も働きが弱いです。さらに、後手は歩を多く手にしています。脇九段は「歩は皮膚ですからね」といいます。皮膚をはがされた先手の布陣は、見た目以上にもろそうです。「駒得は裏切らない」とは棋界の教えですが、本局はその例外となるかもしれません。
(控室には大盤解説会場を映すモニターが用意されている。15時過ぎ、解説していたのは久保九段と狩山五段)