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2025年10月13日 (月)

手堅く受ける

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局面は依然として先手優勢。控室では「攻めても勝てそう」と言われていますが、吉池四段は手堅く受けに回っています。

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(昨日、関係者のみで開かれた食事会で、両対局者に加古川和牛の目録が贈られた)

(翔)

先手優勢

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端をいなし、駒得を広げている先手が優勢と見られています。

上図の▲7五歩は△同銀なら▲6五桂、△同飛は▲8七桂があります。先手に遊び駒がない局面になりました。吉池四段の優勝が近づいています。

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(対局開始前、準備をする吉池隆真四段)

(翔)

柵木四段、端を攻める

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局面は90手目まで進みました。先手は戦いながら右玉に組み替え、その急所である端を柵木四段が攻めています。

先手が桂得していますが、この垂れ歩の対応次第では1筋を突破されてしまいます。

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(対局開始直後の柵木幹太四段。不退転の決意で端を攻める)

(翔)

15時頃の鶴林寺

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(15時頃の鶴林寺境内。雲は多いが強い日差しが注ぐ)

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(小さなお地蔵さま)

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(真光院には「酔芙蓉」の花が咲いている)

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(酔芙蓉の花)

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(昼になるとピンク色に染まる)

(翔)

第3局は角換わり

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第3局は角換わり。先手の吉池四段は▲4八金~▲5八玉と中住まいに構えました。吉池四段自身の実戦例がある玉形です。

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中盤に入り、早々に双方が角を手放しました。立会人の藤原直哉七段は「どちらの角が働くでしょうか。8四角のほうが一方向にしか働いていないので、失敗したら痛いですね。4六角は柔軟性のある位置です。ただ普通は攻めるために▲4六角と打つことが多いですが、この将棋はすぐに攻める形ではなく、第1局、第2局と同様に少しずつポイントを稼いでいく将棋になりそうですね」と話しています。


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(第2局終局後、勝者の柵木幹太四段のインタビューが行われている間、吉池隆真四段は険しい表情で遠くを見ていた)

(翔)

対局開始(3)

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(吉池隆真四段)

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(振り駒のあとに吉池四段が席を立つと柵木幹太四段はぐっとうつむいた)

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(盤を見つめる柵木四段)

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(対局開始直前)

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(対局開始)

(翔)

対局開始(2)

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(第3局は記録係の岡本詢也三段が振り駒を行う)

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(岡本三段の手から放たれる歩)


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(手前の重なった2枚は数えず、残り3枚は歩1枚、と金2枚でと金のほうが多いので、下座の吉池四段が先手になった)

(翔)

対局開始(1)

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(13時40分頃の対局室)

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(吉池隆真四段が入室)

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(柵木幹太四段はコンビニエンスストアの袋とトートバッグを持って入室した)

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(柵木幹太四段)

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(吉池隆真四段)

(翔)

第3局は吉池四段が先手

第3局は改めて振り駒が行われ、歩が1枚、と金が2枚、無効駒(重なり)が2枚で、吉池四段が先手になりました。

初手は▲2六歩。角換わりに進んでいます。

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(初手▲2六歩を指す吉池隆真四段)

(翔)

第2局、終局後インタビュー

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(終局直後)

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(インタビューに答える柵木幹太四段)

【柵木幹太四段】
--第2局、勝たれましての感想をお願いします。
「第1局がふがいない内容だったので、勝つにしても負けるにしてもいい将棋を指そうと思っていました。積極的に指せたのがよかったと思います」

--序盤、▲4五歩(43手目)と仕掛けたあたりからペースをつかまれたと思います。
「似た形を指したことはありましたが、端歩の関係とかが違って成立するかわかりませんでした。ただ△6二金(42手目)と指されて次に△5二玉まで指されると動きづらくなるので、わからなかったけど仕掛けました。実際に進んでみるとちょっと指せるかなと思いました」

--△4七銀(84手目)のあたりから吉池四段の反撃がありました。
「3筋、4筋を押さえ込んだあたりははっきりいいと思いましたが、攻め急いでしまい、終盤はわかっていなかったです」

--勝因はどのあたりでしょうか。
「△2二歩(96手目)をうっかりしていましたが、自玉が堅かったおかげで勝ったと思います」

--第3局に向けて。
「第2局と同じように力を出しきってさせればと思います」

--大盤解説会などで観戦しているファンの方にひとことお願いします。
「第3局まで行けてほっとしていますが、第3局も熱戦になるようにがんばりたいです」

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(厳しい表情で対局を振り返る吉池隆真四段)

【吉池隆真四段インタビュー】
--得意の雁木でしたが、一局を振り返っていただけますか。
「▲4五歩(43手目)からの仕掛けを軽視していました。形がバラバラな瞬間だったので、自信を持てる展開ではなかったです。身動きが取りづらくなりました」

--△4七銀(84手目)からかなり迫ったのではないでしょうか。
「威張っている角をどかして、というのを考えていました。チャンスがあったかはわかりませんでしたが、玉が遠く、完敗だったと思います。ずっと苦しい形勢が続いていて、終盤も相手に怖がってもらう手を探していなかったですが見つけられず、不甲斐ない将棋になりました」

--準優勝だった2年前の雪辱を果たすという意味でも大事な第3局への意気込みをお聞かせください。
「第2局を負けて流れはよくないですが、落ち着いて次の一局をがんばりたいと思います」

--大盤解説会場、全国でご覧になられているファンの方にメッセージをお願いします。
「本局はかなり厳しい展開になりましたが、次は白熱した将棋を指せるようにがんばりたいです」

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(第3局の準備があるため感想戦は行わず、駒が片づけられた)

第3局は14時開始予定です。先後は振り駒で決まります。

(翔)