« 2023年11月 | メイン

2024年10月13日 (日)

第1局終局直後

Ueno05 (千日手指し直しの激闘を制した上野裕寿四段)

Okabe05(惜しくも敗れた岡部怜央四段)

Kyokugo05(感想戦の前に終局後インタビューが行われた)

――一日を振り返って

上野 千日手局は形勢判断が分からず、こちらは秒読みになって千日手は仕方ないかと思いました。指し直し局は序盤はまずまずだったのですが、▲1三歩成(59手目)~▲1七歩がだいぶひどくて、自信がない展開が続きました。(99手目▲6四金と)飛車を取って▲2四桂(103手目)で勝負形になったかと思います。

――今日のよかった点について

上野 (98手目)△5七馬に▲6七金と受ける手もあるのですが、飛車を取って勝負したのが結果的によかったと思います。

――持ち味は生かせたか

上野 粘り強く戦えたかなと思います。形勢を損ねてしまったので、そのあたりは課題になります。

――明日の第2局に向けて

上野 三番勝負なので、2勝しないといけません。気を引き締めて頑張りたいと思います。


――一日を振り返って

岡部 千日手局は勢いよく攻めてこられて、失敗気味かと思っていました。千日手にした判断が正しかったかどうかは分かりませんが、妥当だったかと思います。指し直し局はハッキリよくなったと思った局面もありましたが、押し切るまでは見通しが立たなくて、最後に勝負にこられたときにいい手が指せませんでした。

――今日のよかった点と課題について

岡部 序盤の作戦はうまくいっているのか謎でしたが、指し直し局はいい局面にできました。先後両方で作戦を用意しているので、千日手はさほど気になりませんでした。堅い玉形で攻めることができたのはよかったのですが、勝ちまでは持っていけませんでした。

――明日の第2局に向けて

岡部 第3局につなげられるように、精一杯指したいです。

(飛龍)

千日手指し直し局を上野四段が制する

Seiryu202410130102125

第14期加古川青流戦決勝三番勝負第1局千日手指し直し局▲上野裕寿四段-△岡部怜央四段は125手で上野四段が勝ちました。終局時刻は18時6分。消費時間は、▲上野1時間0分、△岡部1時間0分(持ち時間各1時間、チェスクロック使用、使いきると1手60秒未満の秒読み)。

第2局(上野四段が先手)は明日10時から、本局と同じく兵庫県加古川市「刀田山 鶴林寺」で行われます。第2局で岡部四段が勝って1勝1敗になった場合は、14時から同所で第3局が行われます。

(翔)

寄せ合いに

20241013_97上図から△5七馬が飛車を見捨てる英断。▲6四金に△7五銀と押さえましたが、先手からも▲3一銀が飛んできました。

20241013_101△3一同玉は▲7一飛、△3一同金は▲7二飛がそれぞれ王手銀取りになります。△1二玉▲2四桂△同歩▲同歩で際どい寄せ合いなりました。

20241013_105

Hikae01(控室のモニター。101手目▲3一銀の着手のところ)

(飛龍)

後手猛攻

20241013_90後手は▲金桂△銀銀の駒得になり、猛攻に出ています。そのまま押し切れるでしょうか。

Kyokugo04(千日手のあと、一礼を交わす両者)

(飛龍)

2度目の立会人

福崎九段は2018年の第8期も決勝三番勝負の立会人を務め、今回が2回目になります。

Fukusaki01(「モナリザの微笑み」といわれて一世を風靡した福崎九段)

Img_3096 (第8期当時の盤側。右端は四段昇段が岡部四段と同期の徳田拳士当時三段。武蔵撮影)

Taikyokushitsu06(上野四段は三段当時に2度、三番勝負の記録係を務めている。写真は第11期)

(飛龍)

角を巡る攻防

20241013_59上図は△4九角の打ち込みに対して歩を成り捨てたところ。△1三同歩に▲1七歩で▲3六角が狙いになります。実現すれば桂取りで、次に▲4八飛で角を捕獲できます。

20241013_61対して△6六歩がうまい手。△6七歩成を見せて▲6六同銀を誘い、△7四歩▲同金△7六角成で無事に馬を作れました。福崎九段は1筋の歩越しの香が悪い形として懸念を示しています。

20241013_66

Ueno04(上野四段は馬を作られた代償がほしい)

(飛龍)

指し直し局は一手損角換わりに

20241013_8_2指し直し局は8手目△8八角成で後手の一手損角換わりに進みました。上野四段は早繰り銀を採用して積極的に動いています。

20241013_3017時頃には以下の局面まで進みました。

20241013_52

Okabe04 (岡部四段は一手損角換わりで戦う)

(飛龍)

千日手成立直後

千日手成立後、わずかな小憩も視野に入れて指し直し局開始時刻が決められました。千日手成立11分後に開始されています。Kyokugo01 (対局室に立会人の福崎九段が入っていく)

Kyokugo02 (時計を確認して開始時刻を両対局者に打診、快諾を得た)

Kyokugo03(駒をしまい、指し直し局に備える)

(飛龍)

第1局千日手指し直し局対局開始

16時26分、上野四段の先手に入れ替わって指し直し局が開始されました。千日手局で互いに持ち時間を使いきっていたため指し直し局の持ち時間はなく、初手から1手60秒未満の着手となります。

Kaishi18 (岡部四段が盤上に駒を散らす)

Kaishi19 (先手番を得た上野四段)

Kaishi20 (後手になった岡部四段)

Kaishi21 (駒を並べる両者)

Kaishi22(指し直し局開始の一礼)

(飛龍)

第1局は千日手に

Seiryu202410130101_83第1局は16時15分、83手で同一局面4回目となり、千日手になりました。消費時間は▲岡部1時間0分、△上野1時間0分(チェスクロック使用)。協議の結果、16時25分を目途に準備ができ次第、先後を入れ替えて初手から1手60秒の秒読みで指し直されます。

(飛龍)