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岡部四段も持ち時間を使いきり、飛車取りに馬を寄りました。この局面は71手目▲8四馬と同じ局面で、△8二飛▲7四馬△6二飛▲8四馬の手順があと2回繰り返されれば4回目の同一局面となり、千日手指し直しになります。(飛龍)
図の▲6七歩が自玉の安定を図って粘り強い一手。上野四段はこの局面で持ち時間を使いきりました。16時頃には下図まで進んでいます。
(上野四段が先に1手60秒の秒読みに入った)(飛龍)
控室のモニターには大盤解説会の様子が映し出されています。
(左に村田智弘七段、右に久保利明九段。両者は淡路仁茂九段門下の兄弟弟子)
(次に登壇したのは久保九段の長女の久保翔子女流1級と、井上九段)
(さらに大きな身振りの神吉宏充七段と、菅井竜也八段)(飛龍)
上野四段の駒に勢いが出てきています。上図から△5五銀引、△7五銀引、△7五歩、△7七歩のどれも有力と見られていました。上野四段は△7五歩を選んでいます。岡部四段は▲8五銀と勝負に出ました。
△8五同飛なら▲6六歩で先手陣も耐久力があります。実戦は△6七銀成▲同玉で先手玉を露出させ、△8五飛▲5八玉と進みました。
(岡部四段は勝負手を繰り出し、辛抱する展開になった)(飛龍)
上図▲4六歩は4四に取り込んだ歩を打ち直したもの。相手からの△4六歩を防いだ意味がありますが、上野四段は△5五銀左と銀をぶつけていきました。銀交換に進めば△3九銀の割り打ちがあります。
(カナ駒を先にぶつけたのは上野四段だった)(飛龍)
上野 裕寿(うえの ひろとし)四段。【プロフィール】2003年5月5日生まれの21歳、兵庫県加古川市出身。井上慶太九段門下。2023年、四段。棋士番号は340。棋戦優勝は1回。【本年度成績】14勝6敗(0.700)。対局数ランキング19位タイ、勝数ランキング13位タイ、勝率ランキング14位タイ。【通算成績】21勝10敗(0.677)。
(地元、加古川市出身の上野四段)(飛龍)
岡部怜央(おかべ れお)四段。【プロフィール】1999年4月8日生まれの25歳、山形県鶴岡市出身。加瀬純一七段門下。2022年、四段。棋士番号は331。【本年度成績】25勝3敗(0.893)。対局数ランキング2位、勝数ランキング1位、勝率ランキング2位、連勝ランキング1位。【通算成績】69勝35敗(0.663)。
(先に棋士になった岡部四段が上座に就く)(飛龍)
駒を並べ終わったあとは先手、後手を決める振り駒を行います。上座の自陣から歩を5枚取り、広げられた白布の上によく振って散らします。歩が多く出たら上座の対局者が先手、と金が多い場合は下座の対局者が先手です。
(記録係の佐々木女流初段が歩を5枚取る)
(振り駒は岡田市長が行う。渡された歩を手のひらの中でよく振って)
(白布に散らす)
(振り駒の結果は歩が3枚。第1局は岡部四段の先手に決まる)
(対局開始までは5分以上、静かな時間が流れた)(飛龍)
角換わりから先手腰掛け銀、後手早繰り銀に進み、14時30分には歩がぶつかりました。
(先手番らしく先に手を出した岡部四段)(飛龍)
(記録係の佐々木女流初段が先に入室。駒を磨きながら見つめる先は)
(立会人の福崎九段は場を和ます達人)
(岡田康裕加古川市長。初手観戦の方々も見守る)
(13時41分、岡部四段が先に対局室に入った)
(盤側中央、日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段も姿を見せる)
(その弟子でもある上野四段は13時44分の入室)
(駒を並べる両者)(飛龍)