共同インタビュー
終局後、両対局者に共同インタビューが行われました。まずは西山白玲から。
―― 40手目△4五桂で戦いを起こされ、西山白玲らしい指し回しとの評判でした。中盤での折衝をどのように感じていましたか。
西山 △4五桂が成立していたかどうか。▲3七歩(45手目)に飛車を引いていても、ポイントを主張できていたのか難しかったです。本譜は漠然と手がつながっているとは思ったのですが、△3八歩(58手目)があまり利かなかったのは誤算でした。
―― 62手目△1六歩の取り込みに約40分を費やしました。あの辺りの心境はいかがでしたか。
西山 少し苦戦を意識していました。△9三桂を跳ねるタイミングが難しく、不利を意識していました。
―― 優勢を意識された局面、もしくは勝ちに近づいたと思われた場面はありましたか。
西山 トン死筋がちらつき、最後まで難しかったです。△3七歩(102手目)を打ち込んだあたりで有利になったかなと思っていました。
―― 今期七番勝負を改めて振り返っていかがでしょうか。
西山 短期間で進んでいくので、毎回コンディションを整えるのが精一杯でした。本局も含めて内容的には苦しい時間が長く、いろんな面で課題があるのかなと感じています。
―― 本局で3連覇を達成し、クイーン白玲まであと1期と迫られました。終局直後の率直な感想をお願いします。
西山 シリーズ中は番勝負を毎局乗りきることで精一杯でした。とにかくいまはいったんシリーズを終えられ、とくに感染症などもなく過ごせたことにほっとしています。
続いて福間女流六冠にもインタビューが行われました。
(福間女流六冠も共同インタビューに応じた)
―― 45手目▲3七歩は後手の攻めを呼び込んだ一着との評判でした。局面の展開や心境はいかがでしたか。
福間 怖いところではありましたが、どうなるかと思っていました。
―― 辛抱の時間が長く続く展開でしたが、61手目▲4一飛で反撃に出られました。形勢判断はいかがでしたか。
福間 少し指せるのかなと思っていました。
―― 73手目▲6五飛のただ捨てが印象的でした。
福間 もう少し自玉に手を入れたほうがよかったかと思います。
―― 一局を振り返っての感想をお願いします。
福間 一手一手難しい将棋でしたが、終盤あたりで間違えてしまったと思います。
―― 今期は七番勝負は2勝4敗で敗退となりました。今期改めて西山白玲と戦ってみての感想はいかがですか。
福間 昨年は不戦敗で終わってしまって非常に残念でした。今期は自分なりに一局一局しっかり指せたと思います。改めて課題も見つかったので、そのあたりを勉強していきたいです。
―― 来期は再び女流順位戦A級に戻り、リーグ戦を戦われます。意気込みをお願いします。
福間 長丁場の戦いになりますが、一局一局力を出しきれるように頑張ります。
(書き起こし=武蔵)