瑜伽山園地
瑜伽山(ゆうがやま)園地は奈良公園の南端、浮見堂や鷺池の南側に位置する約1.3ヘクタールの庭園で、明治から大正期に山口財閥四代目・山口吉郎兵衛が築いた別荘跡地として知られます。昭和2年(1927年)には国指定文化財「名勝 奈良公園」に追加指定された歴史を持ち、主に文化人が集って交流を深めた場所でもあります。茶室は園地西側に復元されており、「たく庵(※たくの字は草かんむりに澤)」と呼ばれます。この茶室は、山口吉郎兵衛が師事した藪内流の茶の湯精神や数寄屋造りの伝統を受け継いで設計されました。
明治・大正期の趣を伝える手水鉢や灯籠、池、竹林など日本庭園らしさが随所に見られ、訪れる人々は静寂に包まれた伝統の美を味わうことができます。園路の高低差を活かした回遊式庭園となっており、若草山や浮見堂、鷺池の絶景も楽しめます。(本局の対局場となった茶室)