終局直後(1)
終局直後に両対局者にインタビューが行われました。
(終局直後の対局室)
――白玲獲得おめでとうございます。序盤は第6局まで同じ進行から、△4四銀(18手目)と手を変えました。
里見 作戦の一つとして考えていました。
――その後、先手が▲9五歩(37手目)と端攻めをされました。控室ではあまり予想されていませんでしたが、どのように感じていましたか。
里見 読んでいると、結構うるさいと思いました。その対応がよくわからなかったです。
――△8五香(46手目)から大駒を押さえ込みにいきました。そのあたりの形勢はどのように考えていましたか。
里見 (△8五香に▲9四歩と香を取って)角を取らせる順だと思ったので少し意外だと思いました。
――形勢がよくなったと思われたのはどのあたりでしょうか。
里見 △9九飛(72手目)と飛車を下ろしたところです。
――では、具体的に勝ちと意識されたところはどこでしょうか。
里見 △6八同角成(92手目)のあたりです。
――一局を通しての感想をお願いします。
里見 力戦になったと思いますけれども、難しい将棋だったと思います。
――今シリーズはすべて相振り飛車でしたが、振り返っていかがでしたか。
里見 一方的な内容で負けてしまった対局もありました。そのあたりの反省を生かして、今後に向けて頑張りたいと思います。
――これで八大タイトルすべてを経験することになります。お気持ちをお聞かせください。
里見 七番勝負は初めてでしたが、本当にいい経験をさせていただきました。それを今後の糧にしたいと思います。
――3年ぶりに女流六冠に復帰しました。それについても一言いただけますか。
里見 一方的な内容の将棋もあったので、少し何か変化していかなければと思っています。
――タイトル獲得数が50になりました。14年ほど前に初タイトル(倉敷藤花)を獲得してから積み重ねてこられましたが、それについてはいかがですか。
里見 その間に棋戦も増やしていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
(インタビューを受ける里見香奈女流五冠の表情は厳しかった)
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――序盤、▲3八金(17手目)まで同じ進行で、次の△4四銀と手が変わりました。それへの印象はいかがでしょうか。
西山 一手一手考える展開になったと思いました。
――その後に▲9五歩(37手目)から端攻めに出ました。控室で予想されていませんでしたが、それへの見解はいかがでしたか。
西山 △8五香(46手目)と打たれたときに、本譜の進行と▲7五角と▲9四歩の3つあって、どれもありそうと思ってしまって突っ込んでしまったのですが、もしかしたら無理筋だったのかなと。薄い内容にしてしまったかなと思いました。
――△8五香から大駒が押さえ込まれる展開でしたが、▲7九飛(49手目)と引いたあたりは形勢をどう判断されていましたか。
西山 当初は▲3九玉(51手目)で▲9四歩△6六銀▲同銀△同角に▲6七香の展開で、△8八角成▲7五飛がいいのかなと思ってしまいました。そのあたりの感覚がよくなかったと思いました。
――苦しいと感じたのはどのあたりでしょうか。
西山 軌道修正が多かったのですが、5五に馬を引かれたあたり(58手目)は手がない感じがしました。
――一局を通しての感想をお願いします。
西山 そうですね。攻める展開が魅力的に見えて動いてしまったのですが、もう少し長い展開にするべきだったかもしれません。
――シリーズを振り返っていかがでしょうか。
西山 七番すべて指させていただき、大変光栄なことだったと思っています。シリーズを通して相振り飛車をたくさん指して経験できて、実りのあるシリーズだったと思います。