開会式(3)
両対局者が退場し、見どころ紹介(以下に一部抜粋)のあと閉会となりました。
(大盤解説会解説の高見泰地七段)
高見 見どころ紹介は屋敷先生独りではないんですか?
屋敷 いや、高見さんも一緒かと。大盤解説会の解説者なので、ぜひとも高見さんが見どころを解説していただいて。
高見 ここまでは里見さんが2連勝です。
屋敷 里見さんは第1局はちょっと苦しそうな展開でしたが、何とか終盤逆転してという形で、第2局も中盤のねじり合いがすごかったですよね。里見さんが勝ってこの第3局は西山白玲にとっての正念場ですね。
高見 見どころはいかがですか。
(立会人の屋敷伸之九段)
屋敷 お互い振り飛車が得意なので相振り飛車ですかね。どちらもそんなに変化することはなく、割りと似たような。認め合っている相手というのですかね、自分のいちばん得意な戦法をぶつけ合って、最後に中終盤のねじり合いで戦う将棋が多い印象ですね。どうですか、合ってます?
高見 そのとおりだと思います。第1局も里見さんが先手で、今回も里見さんが先手になります。それぞれ先後逆でも、先手でも後手でも同じような出だしでずっと進むような感じなんですよね。
屋敷・高見 今回は里見女流五冠が先手なので中飛車、西山白玲は三間飛車ですかね。
高見 あの二人はお互いに波長が合っているというか、二人にしかない世界の序盤が続いていくので、それは予習していて自分も思ったところでした。
屋敷 高見さん、居飛車党ですよね。もちろん、何でも解説できると思いますけど。
高見 ハードル上げないでください(苦笑)。
屋敷 いやいや、ハードル上げますよ、どんどん。
高見 (振り飛車党の)杉本先生もいらっしゃいますしね。
屋敷 そうですね、何といっても有名棋士。
杉本 私、先ほど緊張して……。明日は間違いなく相振り飛車になります! これだったら断言できます。
屋敷・高見 (笑)。断言されましたね、力強く。
高見 序盤から相振り飛車は公式戦ではあまりないのですが、女流でははやっているので、両対局者の考え方を来てくださる方に少しでも分かっていただけるように、言葉を選んで頑張っていきたいなと思います。中終盤は居飛車でも振り飛車でも関係ないので、お二人の強さが出てくるところで自分も見ている方に楽しんでいただけるように、大盤解説を頑張りたいと思います。
屋敷 千日手とか持将棋とか、何か出たときに対応するのが立会人の役目です。この二人ですと、中盤、終盤はねじり合いがすごいので、たまに決着がつくのかどうかという展開もあるので。
高見 よかったら大盤解説会にも解説者として出てきていただければ……。
屋敷 そうですね。時間が合えば、という感じになると思います。
(下竹原利彦・指宿白水館代表取締役社長による閉会挨拶)
「本日はお越しいただきましてありがとうございます。まだまだ長引くコロナで観光業界はイベントが中止になることも多く、ヒューリック杯白玲戦第3局を開催できますことをうれしく思います。私どもが日本将棋連盟と関係を持てるようになったのは、2016年12月の第29期竜王戦からでした。7年たちますと、今回お越しいただいた方で初めてじゃない方も多くて、皆様をまたお迎えできることをスタッフ一同うれしく思っております。先日台風11号が来て、来週は12号が来るようで、その間になんとか無事に開催できることをありがたく、うれしく思っております。明日の見どころ等をうかがいましたので、私たちも楽しみにしつつ、我々白水館スタッフ一同も皆様に快適に過ごしていただけるように取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします」
(閉会挨拶書き起こし:翔)