開幕式(2)
【花束贈呈】
【明日への意気込み】 西山朋佳白玲
「私自身、2度目の七番勝負が開幕して新鮮な気持ちです。そして今回も全国各地にいかせていただけると楽しみにしております。大盤解説会にきてくださる方々、そして観戦してくださるファンの皆様に感謝の気持ちを持って、大切に一局、一局指していきたいと思っております」
挑戦者・里見香奈女流五冠
「ヒューリック様には清麗戦と白玲戦を創設していただき、初めて聞いたときは本当にびっくりしましたし、同時に大変うれしかったです。心より感謝申し上げます。 白玲戦のビックタイトル戦を対局できることに、本当に幸せに思います。精一杯、力を尽くして頑張りたいと思います」
【立会人・大盤解説者による明日の展望】 立会人 佐藤天彦九段(左)、大盤解説者 中村太地七段(右)
中村 昨年は第1期の第1局で、立会人を務めさせていただきました。今年は大盤解説会が開催されるということでうれしく思います。さて、どんな将棋になるでしょうか。
佐藤 棋風として西山白玲が攻め、里見女流五冠が受けです。
中村 ふたりは対戦成績も拮抗しています。戦型は相振り飛車が多いですが、ふたりだけの世界・定跡が作り上げられていて、ほかの人が真似できない、入っていけないところだと思います。
佐藤 棋風が違うけど、かみ合っているのが面白いですよね。里見さんは棋士編入試験の資格を得るほど、棋士の棋戦でも好調と勢いがありました。そのときは里見さんが自分の世界に西山さんをいざなっていたような感じですけど、いまは完全にかみ合って、西山さんがうまく対応して五分のような気がします。
中村 西山さんは第1期で4連勝と圧倒的な強さを見せました。タイトル保持者として迎え撃つ側になると、また違うのでしょうか。
佐藤 どうなんでしょう……。我々よりは、佐藤康光会長のほうが経験豊富なので見解をお願いしたいんですけど(笑)。里見さんは挑戦する立場なので、今回は伸び伸びとやりたいというのはあるんじゃないでしょうか。 対局検分の時は、里見さんのほうがピリッとしていたように感じました。
中村 確かに、そんな感じはしましたね。
佐藤 里見さんと話したわけではないですが、棋士編入試験にチャレンジするにあたって何かしら緊張感が出てきているのかなと思います。棋譜を見ていると、これまでの伸びやかなところからピリッとしている印象を受けますよ。
中村 そうですね。一手一手、気持ちが伝わってきます。ただ、里見将棋は伸び伸びと指すのが魅力なので、明日は存分に発揮してもらいたいなと思います。 西山さんと里見さん、お互いを高め合ってきた存在です。里見さんが西山さんと対戦することで、伸びやかなところを取り戻すことを期待しています。 では先生、ずばり戦型予想を伺います。
佐藤 私が先にさせてもらうということで(笑)、相振り飛車で。
中村 あ、そうか(笑)。
佐藤 (笑)。
中村 では、私は里見さんが得意にされている作戦のひとつ、中飛車にしてから玉を左に囲って、居飛車に戻す展開を予想します。
佐藤 いいですよね。個性があって、ほかの人には真似できない将棋を見てみたいです。
(書き起こし=紋蛇)
以上で本日の更新を終わります。
対局は明日9時開始です。どうぞお楽しみに。