終局直後
(西山朋佳・初代白玲)
【西山朋佳女流三冠、新白玲インタビュー】
--本局を振り返ってください。
西山 早々に戦いが始まって、桂馬と歩2枚の交換になったところ(46手目付近)は、手を作られなければ自信があるのかなと思っていました。
--本局の序盤、三間飛車は予定の作戦でしたか。
西山 今日は三間飛車を指そうと思っていました。ただ、早々に想定から外れてしまっていて、△5三銀(22手目)あたりからは考えて進めていました。
--66手目△5四銀と渋く銀を引き、74手目△7四桂から反撃に移りました。形勢をどのように見ていましたか。
西山 △7四桂と打ったところは読み抜けがなければ少しいいのかなと思っていました。△5四銀の局面は馬を作られており、駒得でも難しい戦いと思っていました。
--優勢、または勝ちを意識したのはどのあたりでしょうか。
西山 本当に最後で、飛車を取ったあたり(114手目△6八歩成)で一手勝ちになっているように思いました。
--本局に勝ち、4連勝で初代白玲の座を獲得しました。
西山 長期的なスパンで戦ってきて、コンスタントに勝ち続けることが必要とされていたので、そのなかで結果を挙げることができたのは、今後の自信の源になりそうかなと思っています。
(七番勝負敗退となった渡部愛女流三段)
【渡部愛女流三段インタビュー】
--本局を振り返ってください。
渡部 桂馬を取った辺り(41手目▲2六歩)は大変かなと思っていましたが、進めていくうちに途中でうっかりをしてしまい、苦しくなりました。具体的に玉頭の攻め合いになったとき、▲7七桂(65手目)から手を入れましたが、そのあたりの手の入れ方がまずかったかなと思います。
--西山女流三冠の三間飛車から、35手目▲3八飛から▲4五歩と攻勢を取りました。仕掛けあたりの心境はいかがでしたか。
渡部 穴熊に組むかどうか比較して本譜を選びました。難解なのかなと思っていまして、部分的にはやってみたい仕掛けでした。
--47手目の▲6六歩~▲6五歩は先手の楽しみの多い局面だったのではないでしょうか。
渡部 昼食休憩付近は難しく、▲6六歩~▲6五歩かなと思っていましたが、そのあとの指し方は具体的にはわかっていませんでした。
--苦しさを感じた局面はどのあたりでしょうか。
渡部 △7四桂を指されて玉頭から圧力をかけられたところは、まずかったと思います。
--順位決定リーグ戦から振り返って、今期の白玲戦はいかがでしたか。
渡部 予選からずっと戦ってきて、途中危ない将棋もたくさんありましたが、タイトル戦に出られてよかったと思います。
(インタビューのあと、感想戦が行われている)