ここまでの振り返り
(中盤戦の要所を迎えている。控室の谷川九段に、ここまでの進行を振り返っていただいた)
「39手目▲5六飛のところは長い戦いになることも予想されました。例えば以下△2四歩~△2三銀といった手順ですね」
「40手目△2四角~42手目△4五歩が後手の趣向です。2四角型のままゆっくりしていると▲2六歩が味のよい突き出しになるため、動いていきました。ただ先手は直前の▲7六飛で、この攻めを誘っていた可能性もありますね」
「52手目△2四馬(7九地点から引いた)のところは、代えて△8九馬と桂を取ることも考えられました。ただ馬の働きが弱くなるため、先手の攻めを支えきれないと見たのでしょうか。しかし本譜の馬引きでは後手が少しつらいようにも思います」
「56手目△4六歩には以下▲同銀△7三桂にどうするか(飛車成りで取ると△4六馬が王手竜取り)。(1)▲4七金だと△5五桂の筋、(2)▲3七銀引だと△2五桂の筋がいずれ生じそうです。現局面は先手が長期戦に持ち込みたいところで、そうすると▲銀△桂交換であることや、持ち歩の多さが生きてきます」