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2025年10月13日 (月)

ご観戦ありがとうございました

第15期加古川青流戦は全日程を終了いたしました。今期もご観戦ありがとうございました。

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(囲み取材のあと、記念撮影に応じる吉池隆真四段)

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(今年のABEMAトーナメントでチームメイトだった稲葉陽八段とともに)

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(大盤解説会と表彰式が行われたウェルネージかこがわ)

(翔)

感想戦

第3局の感想戦は別室で行われました。

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(和やかな雰囲気で行われた感想戦)

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(吉池隆真四段)

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(柵木幹太四段)

(翔)

表彰式(4)

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【脇謙二・公益社団法人日本将棋連盟専務理事のあいさつ】
「第3局は本当に大熱戦で、私はどっちが勝っているのか、最後の最後までわかりませんでした。柵木さんは苦しい将棋を粘り強くがんばられてあわよくば、というところまで持ち込んでという将棋を指されたのでよかったと思います。この棋戦は四段しか出られませんから早く昇段して、卒業してもらって、がんばっていただければと思います」

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【岡田康裕・加古川市長の挨拶】
「優勝した吉池隆真四段、惜しくも準優勝の柵木幹太四段、おふたりともお疲れ様でした。お集まりの皆様は加古川青流戦の位置づけをよくご存じだと思いますが、上に上がって行かれる方の登竜門として見ていただいています。過去の加古川青流戦の覇者の方で、大きなタイトル戦を戦われているかたもいますし、第1期の優勝者は某市役所で監査委員を務めています(注:第1期優勝の船江恒平七段が、加古川市の監査委員を務めている)。これからおふたりともいろいろなところで活躍される方になることは間違いないと思います。来月には将棋の日のイベントもあることですし、これから将棋の振興に私たちも一生懸命がんばっていきたいと思います」

(翔)

表彰式(3)

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【優勝:吉池隆真四段】
「(開幕から)すごく長い戦いではあったのですが、こういう風に結果を出すことができてほっとしています。なかなか手に汗握る将棋だったと思います。決めきれなかったところもありますが、人間的な将棋をお見せできたとは思いますので、今後とも頑張っていきます。ありがとうございました」

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【準優勝:柵木幹太四段】
「三番勝負自体の結果は残念な結果になってしまいました。至らないところもありましたが、第2局はいいところがすごく出ましたし、よくも悪くも自分の力は出し切れたと思います。またこの舞台に戻ってこられるようにがんばりたいです」

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(トロフィーを持ってステージに立つ)

(翔)

表彰式(2)

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(優勝した吉池隆真四段に、公益社団法人日本将棋連盟専務理事の脇謙二九段から表彰状が贈られた)

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(トロフィーを加古川市の岡田康裕市長から贈られる)

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(準優勝の柵木幹太四段にも岡田市長からトロフィーが贈られた)

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(吉池四段に贈られた表彰状)

(翔)

表彰式(1)

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(対局者が大盤解説会場に到着。稲葉陽八段、久保利明九段と登壇)

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(吉池隆真四段が感想を述べる)

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(対局を振り返る柵木幹太四段)

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(対局が終わってから50分近く経っていたが、多くのファンが会場に残っていた)

(翔)

終局後インタビュー

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(終局直後)

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(2勝1敗で初優勝、吉池隆真四段)

【吉池隆真四段インタビュー】

――優勝の率直な感想は?
「今回の内容がいいわけではなかったので、気持ちとして難しいところもありますが、優勝というしっかりとした結果が出たことはうれしく思います」

――本局、序盤から中盤にかけてはいかがでしたか。
「▲4六角(41手目)と据えて手厚くいこうというプランを考えていました。ただ、▲4七玉(59手目)のあとのプランがハッキリ分かっていなかったので、自信があるのかも何ともいえないかなと思っていました」

――144手目△1七角成から△6六銀成で猛追されました。
「その少し前から押さえ込みに失敗して、こちらの玉が露出している形なので、何かあってもおかしくはないかなと思っていました。ただ、大駒が2つ利いているので、その力でどうにかという感じではいました」

――秒読みに追われることもあったが、優勝が迫った最終盤を指していたときの心境はいかがでしたか。
「ずっと難しい将棋で最後まで気を抜かずに考えていたので、(優勝を)あんまり考える余裕はありませんでしたが、最後の最後はこちらに何か寄せがなければという局面になったので、そのあたりで少し意識しました」

――本局の勝因はどこにありますか。
「形勢がだいぶ揺れ動くなか、相手に手を渡すような手を指せて、難しいところで落ち着いて盤面を見ることができたのが勝因かなと思います」

――三番勝負を振り返ってください。
「第1局は自分の実力が出せたんじゃないかなと思っていたのですが、第2局で相当よくない将棋を指してしまって。流れも正直よくはなかったのですが、気持ちを切り替えて、うまく踏みとどまれたかなと思います」

――今年も好調で2年前の自身と違うところ、経験を生かせた部分などはありますか。
「当時は三段でしたし、いまのほうが間違いなく実力は上がっているかなと思っていましたので、優勝という結果を出せてうれしいとは思うのですが、やっぱりまだまだ改善の余地があるので、そこをうまく修正していきたいなと思います。2年前は三段だった私に、すごくいい経験をさせていただいて、いつの日かもう一度この加古川に戻ってきて栄冠を手にしたいなと思っていたので、ずっと意識はしていました。2年前の感覚は少しながらも残っていたので、うまく体調管理や研究は対局前にできたんじゃないかなと思っています」

――全国から見守っていたファンに向けてメッセージをお願いします。
「正直そんなに褒められた内容ではなかったかもしれないのですが、これも私の将棋という感じではあるので、これからも注目していただけたらなと思います。よい点も悪い点も出ていた気がするので、その悪い部分は直していかないといけませんが、よかった部分はしっかりと伸ばしていって、これからにつなげていきたいなと思います」

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(準優勝、柵木幹太四段)

【柵木幹太四段インタビュー】

――控室では41手目▲4六角に△8四角と打ち合ってから、後手は角の活用が難しいとの評判でした。
「吉池さんの指し手の速さからも、想定内であることがうかがえる感じだったので、若干外すような感じで指そうと思ったのですが。ちゃんとやられると、ちょっと自信のない将棋なのかなと思いながら指していました」

――78手目△7四飛では△4六飛が指摘されていましたが、対局者としてはいかがでしょうか。
「その後の攻めが見えなかったので、断念したのですが。実戦は桂損して忙しい展開になったので、確かにそういう手を考えないといけなかったかなと、いまとなっては思いますね」

――144手目△1七角成から△6六銀成で見せ場を作れたのではないでしょうか。
「もともとだいぶ悪いなと思っていて、確かに1七の香を取れるとちょっと怪しいのかなと思って。ただ、何かあってもおかしくないなとは思ったのですが、時間もない中で正着を見つけられなかったら自分の実力かなとは思いましたね」

――三番勝負を振り返ってください。
「第1局は差が広がってひどい内容でしたが、それも含めて第2局、第3局といくに従って段々と力を出せるようになりました。第3局は悪手もけっこう多かったので、内容自体はそんなにといわれてしまうかもしれないのですが、いまの自分の実力がちゃんと出せて、そういう結果だったということで、まあ仕方ないかなという感じで思っています」

――三番勝負を経験して今後どのように生かしたいでしょうか。
「いままでの経験からそんなに緊張せず、いつもどおりのびのびと指すことができて。ちょっとのびのび指せすぎたかもしれませんが、番勝負も初めてでしたし、こうやってお寺でさせていただく機会も初めてだったので、全てが貴重な経験だったと思います。この経験を生かせるように、またこういう場に戻ってこられるように、これからも努力を続けていきたいと思います。私は(来期までの対局を)全部勝っても五段にはなれないと思うので、来年は出られると思うんです。加古川もすでに3回目で、今回来させていただいてすごくいい街だなと思います。今日ようやく初めて(加古川で)勝つことができ、これからはまた気分を新たに、またここで指したいなという気持ちは強いので、また来期ここに戻ってこられるように頑張っていきたいと思います」

――ファンに向けてメッセージをお願いします。
「こうして応援していただいて本当にありがとうございました。応援していただける声がすごい力になって、3局指すことができたかと思います。感謝しながら、これからの対局でお返ししていきたいと思います。ありがとうございました」

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(インタビューのあと、駒が片づけられた。大盤解説会場へ移動する)

(書き起こし:飛龍、撮影:翔)

吉池四段が優勝

Seiryu202510130201_169三番勝負第3局は169手で吉池四段の勝ちとなりました。終局時刻は16時40分。消費時間は▲吉池1時間0分、△柵木1時間0分(チェスクロック使用)。

吉池四段が棋戦初優勝を決めました。

(飛龍)

吉池四段、振り切ったか

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形勢急接近と見られていた局面もありましたが、図の▲4一銀が厳しい手です。吉池四段が振り切ったと見られています。

(翔)

柵木四段の追い上げ

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図は△1七角成と香車を取りながら馬を作ったところ。先手は飛車は取れましたが、端から殺到する順がなくなりました。上図で▲5四飛は△5三香があります。

5四歩や7七銀が寄せの拠点になる可能性が出てきました。柵木四段が急激な追い上げを見せています。

(翔)