2011年10月27日 (木)

終盤戦に

_48_2


米長邦雄永世棋聖はこの手を見て、「うわぁ、両方のファンになっちゃうよ」と満面の笑みを浮かべた。

「現局面は一番面白い局面ですね。このあと、▲7七同桂に△4七角と打ち込むけれども、▲2六飛打などという手があってよくわからない。だから面白いんですね」。と更に続けた。

その後局面は進み、12時前の現在は下記の局面。



_57


「△9九飛成と香を取ると思うけれども、そこでじっと▲2八飛、あるいは▲6五桂、単に▲5三角などがあって形勢不明です」(米長永世棋聖)

(潤)

11時40分頃の棋士室

Photo_10


(検討をする森安正幸七段、稲葉陽五段と奨励会員達)

Photo_11

(米長永世棋聖の軽妙な解説に思わず笑みをこぼす谷川浩司九段)

(潤)

米長邦雄永世棋聖の見解

_39


「現局面は▲4六歩と突いて、桂跳ねを防いだところだが、次の一手は勝敗を決めることになるだろう。相当に難しい局面で早指し戦でなければ1時間以上考えるところです。形勢は、と聞かれたので傾城(けいせい)は阿波の鳴門と答えたが、難しかったかなぁ」(米長永世棋聖)

(潤)

対局開始前

Photo_7


(本局の対局場となる関西将棋会館。第2局は主催の加古川市で行われる)

Photo_8


(開始前の盤と駒箱)

Photo_9

(本局ではチェスクロックが使用される)

(潤)

宮本三段 飛車成りを受けず

_20

図から8分半考えて歩を突いた。▲2一飛成が見えるが……。
米長永世棋聖と雑談していた井上九段が、モニターを見て「ええっ!?」と素っ頓狂な声を上げた。もちろん実戦例はない。
米長永世棋聖は「そうか、飛車を成ったら銀を上がろうということか」。
消費時間は両者19分。
早速稲葉五段を中心に継ぎ盤が動かされる。▲2一飛成△2二銀に(1)▲4一角△3一金▲5二角成△同金▲3二飛△同金▲同龍△4二飛で、意外と続かなさそう。(2)▲2三歩も△3一金▲2二歩成△2一金で、米長永世棋聖は「これはこっち(先手)が悪いんだろうねぇ」。
「久しぶりに面白い手を見た」と検討陣は盛り上がっている。

(棋譜コメントより)

(潤)

宮本三段が四間飛車から中飛車に

4手目△3三角戦法から始まった本局は、角交換から宮本三段が四間飛車に構えました。

_10


その後宮本三段は中飛車に振りなおしています。

_16


(潤)

朝の対局室

1

(9時30分頃の御上段の間)

Photo_3

(左から、東和男七段(関西理事)、米長邦雄会長、

樽本庄一加古川市長、谷川浩司九段(立会人)、

加古川市ウェルネス協会の村井保樹理事長)

Photo_4

(記録係の藤原結樹二段)

戦型は4手目△3三角戦法

船江四段の▲2六歩で始まった本局は、宮本三段が4手目△3三角戦法を採用しました。

_4


(潤)

対局開始 先手は船江恒平四段

定刻の10時に、立会人の谷川浩司九段が「定刻になりましたので船江恒平四段の先手で始めてください」と告げ、対局が始まりました。

Photo

(船江恒平四段)

Photo_2

(宮本広志三段)

Photo_5

(対局開始直後の御上段の間)

(潤)

2011年10月26日 (水)

決勝三番勝負第1局は10月27日(木)10時開始

第1期加古川青流戦(加古川市・財団法人加古川市ウェルネス協会主催)決勝三番勝負は、船江恒平四段と宮本広志三段の対戦になりました。両者は関西所属。船江四段が24歳、宮本三段が25歳とほぼ同世代で、日頃は気心が知れた間柄でもあります。

棋風は居飛車党の攻め将棋である船江四段に対し、振り飛車党で受け将棋の宮本三段と間逆の構図で、決勝三番勝負では、対抗形の戦いが予想されます。

果たして栄えある第1期の栄冠に輝くのは、地元加古川市出身の船江四段か、あるいは奨励会員史上初の棋戦優勝を目指す宮本三段か。

三番勝負第1局は10月27日(木)、関西将棋会館にて10時開始予定。立会人は谷川浩司九段。持ち時間は各1時間(チェスクロック使用)、使い切ると1手60秒未満の秒読み。先後は振り駒で決定します。

中継は棋譜・コメントを翔記者が、ブログを潤が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

(潤)