第20回2回戦

2012年5月28日 (月)

桐山九段の考慮続く

_69図は16時50分頃の局面。羽生二冠の▲6五桂(図)に対し、桐山九段が時間を使っている。持ち時間の残りは20分を切った。局面は終盤に入りつつある。ここからは指し手のペースが早くなってくるだろう。


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(棋譜用紙。中盤で両者少考の応酬があった)

壁にさせる

16時を過ぎ、晴れ間がのぞいてきた。明るい日差しのなか雨が降っているが、徐々に弱まってきている。

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_65羽生二冠は手筋を使って後手陣の形を崩していく。▲2二歩(図)は△同金と取らせることで、金を玉から引き離しつつ壁形にさせる狙いだ。先手好調のようだが、△5五角が残っているので忙しい面もある。いかにうまく手をつなげられるかがポイントになるだろう。

技を掛け合う

_60羽生二冠が中段で大駒をさばくと、桐山九段は△8六歩(図)の手筋で応戦した。▲8六同歩と取らせることで、いつでも△8六飛~△3六飛のさばきが利くようになる。歩が潤滑剤の役割を果たしていることがよくわかる場面だ。
互いに歩が低い位置にあるので、歩をぶつけて駒を押し上げていくような、力の入った攻めは期待できない。技を駆使する必要がある。


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【Twitter】富士通スタッフアカウント

富士通杯達人戦では、スタッフによるTwitterでの情報発信も行っている。ツイートでは羽生二冠の飲み物の話題など、将棋に詳しくなくても楽しめる情報が盛りだくさんだ。

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やわらかい飛車浮き

_55_2羽生二冠は▲2四飛(図)と浮いた。羽生二冠らしいやわらかい感触の手だ。次に▲7四飛~▲7三角成を狙っているが、後手はこの防ぎ方が悩ましい。考えられるのは△6四角か△6四歩だが、後手にとっては玉のコビンを開ける味の悪い手になる。


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暗雲

東京では上空に暗い雲が垂れ込めてきた。遠くには小さな光も見える。雷が落ちているようだ。

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出るか、大技

_54図は14時30分頃の局面。先手が▲4五桂と跳ね、後手が△4二角と当たりを避けて引いたところだ。ここで先手には▲3四銀!という派手な攻め筋がある。△同歩はもちろん▲2二角成。ただ、単に▲3四銀は△2三歩で後続が難しそうなので、狙うなら▲2三歩の筋と組み合わせたい。プロの将棋では互いに警戒して狙いを消すことが多いので、こうした大技がかかることは滅多にない。本局では成立するのだろうか?

雨の予感

午後になって雲が出てきた。東京ではにわか雨も降るとの予報。湿った風を頬に感じた。

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前へ前へ

_49羽生二冠は後手の角を追い払い、▲5五角(図)で5筋の歩を取った。先手は駒が前に躍動していて、勢いがある。形勢は先手ペースと見ていいだろう。後手は序盤で2手かけて、手塩にかけた歩を取られてしまったのだからおもしろくはない。自陣に押し込まれた角がつらい形だが、臥薪嘗胆の心で巻き返しの機会を待ちたい。

本局の観戦記は『週刊朝日』で

大川慎太郎さんによる本局の観戦記は、『週刊朝日』6月29日号・7月6日号に掲載される予定。こちらもぜひご覧いただきたい。なお、最新号の6月1日号から、1回戦の▲青野照市九段-△森内俊之名人戦の観戦記が始まっている。

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