第20回2回戦

2012年5月 7日 (月)

昼食休憩、対局再開は13時から

Kyokumen02

図の内藤九段が▲8五歩と打った局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲内藤1時間8分、△谷川49分(持ち時間は各3時間)。昼食の注文は、谷川九段が肉なんセット(そば)、内藤九段はありませんでした。
対局は13時から再開されます。

達人戦での谷川-内藤戦

谷川九段と内藤九段は、過去、富士通杯達人戦で2度対戦しています。

最初の対戦は第13回大会(2005年)の2回戦です。矢倉模様の出だしから、後手の内藤九段が腰掛け銀から積極的に動く作戦に対し、谷川九段は中央を手厚くした構えで応じます。
Kyokumen1
第1図はその終盤。ここで谷川九段が指した▲7三角成が「光速の寄せ」。△同飛なら▲3四桂以下の即詰みがあります。実戦は▲7三角成に△2五桂▲8三馬と飛車を取り合いましたが、△3九飛の打ち込みに▲5九歩の底歩が堅く、以下十数手で谷川九段の勝ちとなりました。
【第13回富士通杯達人戦・2回戦第3局 ▲谷川浩司九段-△内藤國雄九段】
http://jad.fujitsu.com/event/2005/shogi/applet/23.html

2度目の対戦は第18回大会(2010年)の2回戦。谷川九段のゴキゲン中飛車に、内藤九段が▲7八金~▲2四歩と序盤早々に仕掛けていきます。しかし冷静な対応で駒得を果たした谷川九段がリードする展開に。
Kyokumen2
第2図は内藤九段が▲4五金と打った局面。ここで谷川九段が放った△1二角がぴったりの返し技。以下▲3四金△同角▲5七金の辛抱に△2五歩▲2七歩△5八歩が厳しく、本局は谷川九段の快勝譜となりました。
【第18回富士通杯達人戦・2回戦第1局 ▲内藤國雄九段-△谷川浩司九段】
http://jad.fujitsu.com/event/2010/shogi/applet/21.html

本局は3度目の対戦。内藤九段の巻き返しに期待したいところです。

達人戦の観戦記は『週刊朝日』で

Asahi_2

富士通杯達人戦の対局の模様は『週刊朝日』に掲載されます。写真は5月4日・11日の合併号で、富士通杯達人戦の特集が組まれています。また、明日8日(火)発売の5月18日号から、各局の観戦記が上下2回の連載で掲載されます。

本局の模様は6月29日号・7月6日号に掲載される予定です。是非ご覧ください。

戦型は横歩取り

Kyokumen01_2

振り駒の結果、先手は内藤九段。戦型は横歩取りへと進み、後手の谷川九段は△3三角戦法で応じました。この「横歩取り△3三角戦法」を最初に得意としたのは他でもない内藤九段。それを谷川九段が逆に採用する形となりました。
本局では内藤九段が▲7七桂と上がる対抗策を見せています。

対局開始

Tanigawa2
(谷川浩司九段)

Naitou2
(内藤國雄九段)

Start_3
(両者、深々と一礼して対局開始となりました)

谷川浩司九段-内藤國雄九段戦、本日10時対局開始

Tanigawa Naitou

第20回富士通杯達人戦(非公式戦)。2回戦第2局は谷川浩司九段-内藤國雄九段戦をお送りいたします。
対局は5月7日(月)、関西将棋会館にて10時開始です。
本局は棋譜・コメント入力を淡記者、ブログを夏芽が担当いたします。
本日もよろしくお願いいたします。

Tournament_4

2012年5月 1日 (火)

感想戦

A級棋士を破り、「加藤一二三健在」をアピール。準決勝では、森内俊之名人-佐藤康光王将戦の勝者と戦う。

238

252

256

272

244

288

終局直後

終局直後、加藤九段が席を立つ。一人残された高橋九段は厳しい表情。加藤九段が戻ってくると、一礼して静かに対局室を後にした。一人になった加藤九段は「ちょっとだけ、じゃあ、やりましょうか」と、盤側に声をかける。ほどなく立会人の高田六段がやってきて、「並べましょうか」と申し出る。「はい、じゃあ、ちょっとお願い」と加藤九段。高田六段が向かいに座り、感想戦の相手を務めることになった。

209

210

215

218

220

加藤九段が熱戦制す

Tatsujin201205010101151

151手まで加藤九段が熱戦を制した。終局は17時41分、消費時間は▲加藤2時間58分、△高橋2時間36分。
△6四同歩は▲同竜で▲3二歩成で受けがない。両王手を受けるには△5一玉だが、▲3二歩成△4二金引なら▲同と以下の即詰み。▲3二歩成に△4二銀は▲4一と以下の即詰み。

迫力満点の攻め、先手盛り返す

1_127後手がリードを奪ったかに見えたが、加藤九段の怒涛の反撃が始まった。▲2五桂(図)がその第一弾で、玉頭の金に狙いをつけて厳しい。△4三金寄とよろけたが、続く▲3三飛が重戦車の主砲の如く強烈な打ち込みだ。以下△3二銀打▲3五飛成(下図)と進んだ。飛車を成り返った手が6筋の銀に当たっている。

1_1313筋をよく見ると、下段に今か今かと待ち構えていた香の姿が。次の▲2四桂が竜、馬、香をいっぺんに働かせて詰めろになり、これがおそろしく厳しい。後手はこの狙いが見えているにもかかわらず、受けが難しい。たとえば歩を補充する△5六銀は、▲2四桂ならそこで△3四歩と遮断できるが、バッサリ▲3二竜と切られるとそのまま寄せられてしまいそうだ。下段玉、歩切れといった条件が受けにくさに拍車をかけている。