2012年7月20日 (金)

雁木囲いの弱点と利点

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先手は▲1五歩と端を詰めました。将来の端攻めを狙ったものです。
雁木囲いは中央が厚い反面、端が薄いのが弱点の一つ。もし後手の囲いが矢倉なら、3三にいる銀を△2四銀や△2二銀と端の戦力を補強できますが、銀を4三に使う雁木ではそれができません。

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端を詰めた先手に対して、後手は角を転回して8四に据えました。矢倉でいうところの「四手角」と呼ばれる位置。
これは初形の2二から3一~4二~5一~8四、あるいは3一~6四~7三~8四など四手かけて移動するため。本譜は3三~5一~8四と三手で移動しました。矢倉と異なり3三に銀がいない雁木ならではのコースです。雁木囲いは角の活用が早いことが利点の一つといえそうです。

対局の模様は『週刊朝日』で

富士通杯達人戦の対局の模様は『週刊朝日』に掲載されます。
本局の模様は8月31日号・9月7日号に掲載される予定です。是非ご覧ください。

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写真は発売中の『週刊朝日』7月27日号。
2回戦第4局の模様が掲載中。

11時頃、森内名人長考

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図は11時頃の局面。
この局面で森内名人が時間を使っています。
△3三角までの消費時間は▲森内18分、△加藤14分。

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森内名人が時間を使う。作戦を練っているのか(写真は朝撮影)。

雁木囲い

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図は10時30分過ぎの局面。
後手の加藤九段は角交換を拒否し、雁木囲いに組み上げています。

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加藤九段は、いにしえの戦法を採用した。

対局開始の様子

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落ち着いた様子で対局開始を待つ森内名人。

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加藤九段は威風堂々と。

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定刻となり深々と礼がかわされた。

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森内名人の初手は▲7六歩。

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加藤九段は△8四歩と応じた。

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3手目の▲2六歩を見て、加藤九段はしばし考えていた。

対局開始まで

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加藤九段は9時50分頃に入室。

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数分遅れて森内名人が到着。

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森内名人が駒を取り出して駒並べが始まった。

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加藤九段は大広間に響き渡る元気いっぱいの駒音で並べている。

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記録係の三宅潤奨励会三段(25歳・中村修九段門下)が振り駒を行う。

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結果は歩が3枚で森内名人の先手に決まった。

対局開始 戦型は角換わり模様から力将棋へ

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定刻の10時に対局が開始されました。
角換わり模様の立ち上がりから、加藤九段が角道を止めて力将棋模様でスピーディーに展開してます。